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食と体調管理

「納得いくまで空手を続けたい」空手・植草歩が東京五輪後にたどり着いた自分らしさ。変化した競技への向き合い方と日々を支える食生活

元川悦子

2023.04.03

■競技生活を支える食生活

――食事への意識は以前から高かった?

 日体大柏高校時代にスポーツの授業があって、栄養学を勉強したんで、栄養バランスの意識は当時からありました。帝京大学に行ってからは栄養士さんから指導を受けるようになったので、食物繊維やマグネシウムの摂取の仕方や重要性なども勉強しましたね。

――食物繊維と言えば、キノコですね。

 キノコは低カロリーで体にいいと言われていましたが、実は大学に入るまでは食べられなかったんです(苦笑)。

 でも大学1年の時、寮でしいたけのバターホイル焼きが出てきて「残しちゃいけない」と思って食べたら、「あれ、食べれる」となりました(笑)。大人になると味覚が変わるのか、「すごくおいしい」と感じて、それからは好んで食べるようになりました。

――食べ方は鍋料理などが中心ですか?

 はい。エノキはお鍋に毎回入ってました。大学の寮は毎週火・木曜の朝ごはんが鍋だったので、いつも食べていて、好きになりました。栄養士さんも「食材の栄養を逃さないから鍋がいい」と教えてくれましたし、1人暮らしをするようになってからも野菜とお肉を一挙に摂れる鍋をよくやっていました。

 その頃は、朝食と昼食をコンビニで買って食べて、夜は家に帰ってご飯を作るといったスタイルが多かった。でも「コンビニ食は体によくないな」と感じて、お弁当を作るようになり、キノコのバター炒めはマストで入れるようになりました。冷めてもおいしく食べられるし、本当に好きなメニューの1つでしたね。

 まいたけの天ぷらも好きです。もともとはあの苦味が苦手だったんですけど、大人になってからはおいしく感じられるようになった。今はキノコ料理は欠かせません。
――キノコには腸内環境を整える役割もありますが、意識されていますか?

 そうですね。2016年に東京五輪が決まって、私は61キロ超級への階級変更を決断し、1日7食で4年間で体重を68キロに増やすことにトライしました。食べるのは得意で問題なかったんですけど、ブクブク太っちゃいけないので、栄養士さんとトレーナーさんたちがこまめにおにぎり、プロテイン、サラダチキンなど捕食を用意してくれて、3食きちんと食べながら取り組んでいました。

 ただ、食べ過ぎてお腹を下すこともあったので、腸内環境を整える意味でキノコを取り入れましたね。もともと自分は肌荒れがすごくて、ニキビもワーッとできていたんですけど、それがだいぶ減りました。ストレスもあったと思いますけど、今はなくなりました。それも日々の蓄積ですよね。

――海外遠征にも頻繁に行かれますけど、そういう時の食事は?

 日本食を持って行くようにしていました。自分たちの遠征は1週間程度なので、アルファ米とサバ缶、鮭フレークなどを持って行って、試合前はなるべく魚を摂るようにしていました。現地で売っているマッシュルームもおいしそうでしたけど、お腹を壊したり、体調不良になる恐れもあったので、五輪までは現地のものは食べないようにしていました。

 自分の勝負飯は五目御飯。野菜やキノコなどいろんな栄養素が含まれていますし、祖母がよく作ってくれて好きだったこともあって、水を入れたらできるという五目御飯を持参して食べてから試合に挑んでいましたね。

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