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海外サッカー

「選手はFIFAやUEFAの“操り人形”」クロースが“金策“に走る統括機関の拡大路線に怒り!

THE DIGEST編集部

2020.11.12

クロースは「誰も僕らには、意見を求めてこないんだ」とFIFAやUEFAを糾弾した。(C)Getty Images

クロースは「誰も僕らには、意見を求めてこないんだ」とFIFAやUEFAを糾弾した。(C)Getty Images

 レアル・マドリー所属のドイツ代表MFトニー・クロースが、増大する試合数による負担を訴え、FIFAやUEFAといった統治機関を厳しく批判している。

 これは彼が、弟のフェリックス(ブラウンシュバイク所属)とともに出演した『Einfach mal Luppen』のポッドキャストで語ったものであり、近年の新たな大会の創設や出場チーム数増加による拡大などが、選手を苦しめていると主張し、不満を露にした。

「FIFAやUEFAが新しい大会を作る上で、僕たち選手は『操り人形』でしかない。誰も僕らには、意見を求めてこないんだ」

 欧州での国際親善試合に代わる公式戦として2年前に創設されたUEFAネーションズ・リーグ(NL)、市場改革のためにサウジアラビアで開催された4チーム参加でのスーペルコパ、そして出場チーム数が7から24(?)に増えたクラブワールドカップと、具体的に例を出したクロースは、こう切り捨てた。

「(統治機関が)できるだけ多くの金を搾り上げるためのもので、選手を著しく消耗させる」

 彼が声を上げたのは、ただでさえ試合数が多すぎるところへ、コロナウイルス禍によってハードスケジュールで試合が開催され、さらにシーズン間の休養や準備の期間も少なかったことで、例年になく多くの負傷者が出ていることに、我慢の限界を迎えたからである。
 
 このことについては、同様の意見を口にしている選手や指導者も多く、ネイマールら多くの主力が怪我に倒れたパリ・サンジェルマンのトーマス・トゥヘル監督は、リーグアン第9節ナント戦の前に、「(ハードスケジュールが)選手を殺そうとしている。準備、パフォーマンス、休息は重要な関係がある」と訴えていた。

 サッカーが巨額の富を生み出し始めた90年代以降、常に試合数過多の問題はついて回っているが、統治機関は一時的に対策を練っても、しばらくすると試合数の増加や新たな大会の創設というアイデアを打ち出してくる……。

 先月末、ジョゼップ・マリア・バルトメウがバルセロナの会長職を退くことを発表した際、欧州のトップ18チームによって構想が立てられているスーパーリーグへの参加を宣言して話題となったが、これもまた放映権料などでとてつもない金を生み出す「打ち出の小槌」となるだろう。

 これについても言及したクロースは、「スポーツの観点からは興味深いかもしれないが、参加するビッグクラブとそれ以外のクラブに、さらなるギャップを生み出してしまう」と反対の姿勢をとり、現状維持を支持している。

「国内リーグとチャンピオンズ・リーグ、そしてワールドカップこそが『スーパーコンペティション』で、アンタッチャブルなもの。これらがうまくいっているなら、そのままにしておくべきだ」

 統治機関の拡大路線に投じたクロースの一石。これが、コロナ禍の中で再生を目指すサッカー界にどのような波紋を生じさせるだろうか。なお、今月の代表ウィークでドイツ代表チームに招集されているクロースは、11日に行なわれたチェコとの親善試合ではベンチからも外れている(次戦は14日、ウクライナとのNL公式戦)。

構成●THE DIGEST編集部

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