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海外サッカー

「アサノは移籍先を自由に選べる」浅野拓磨のパルチザン離脱に地元紙が見解。給与遅配が常態化する自国クラブへの痛烈批判も

THE DIGEST編集部

2021.05.11

パルチザンとの契約解除を申し出た浅野の判断に、セルビアメディアも理解を示した。(C)Getty Images

パルチザンとの契約解除を申し出た浅野の判断に、セルビアメディアも理解を示した。(C)Getty Images

 浅野拓磨が給与遅配と不誠実な対応を理由に、パルチザンとの契約を解除した件は、セルビア・サッカー界に大きな衝撃を与えた。

 これに対し、彼を提訴することを明らかにしているパルチザンは、この件を浅野の獲得を目指すクラブの“陰謀”であると指摘し、また同クラブのウラジミール・ストイコビッチ、ラザール・マルコビッチら選手が「裏切り行為」だとして日本人チームメイトを非難、また元スタッフや浅野の移籍に立ち会った弁護士らが、クラブを擁護してきた。

 しかし、給与遅配が常態化している、パルチザンをはじめとするセルビアの各クラブの経営状態を糾弾する声が各方面から聞かれるようになり、浅野の行動に理解を示す向きが強くなっている。同国の歴史ある日刊紙『POLITIKA』も「浅野はこのような扱いに値しない」と題された記事の中で同様の視点を示し、自国サッカークラブを痛烈に批判した。
 
 同メディアは浅野について、「極端なほどのプロフェッショナルな振る舞いをする選手。仕事に対する態度は超一流であり、チームメイトやファンにもすぐに受け入れられた」と称賛し、さらに以下のように続けた。

「彼は新しい環境に即座に適応し、良いプレーとゴールを繰り返すことで、素晴らしい模範的な選手を獲得できたと、人々に思わせた。サボ・ミロシェビッチやアレクサンドル・スタノイエビッチといった歴代監督も、この日本の快足プレーヤー以上に強いプロフェッショナリズムを持った選手を指導したことはないと認め、チームメイトも同じ視点で賛辞を惜しまなかった」

 そのような偉大な選手は、パルチザン首脳陣の好きなように“動かされる”ことに値する存在ではないと同メディアは主張。「浅野は、セルビアにおける“借金”がどういうものかを知り、それが選手の未来に何も約束するものでないことを知った時、荷物をまとめて立ち去った。彼にはそうする道徳的な権利がある。ピッチ上で最善を尽くした彼が、心から愛したクラブから別の扱いを期待するのは至極論理的なことだ」とも訴えた。
 
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