サッカーJ２のFC町田ゼルビアは10月22日、ロアッソ熊本に３対０で勝利し、リーグ２位以内を確定させたことで来季のJ１昇格を決めた。

　今季は、就任１年目となった黒田剛監督のもと、シーズン序盤から首位を快走。第39節終了時点でリーグ最多となる73得点を記録し、守りでも２番目に少ない34失点とシーズンを通して攻守で高いレベルをキープした。そして、３試合を残してクラブ史上初となる快挙を成し遂げた。
  　高校サッカーの強豪、青森山田高からプロクラブ指揮官への転身となった黒田監督の存在も大いに注目を集めた。J２ではこれまで４位が最高成績であり、昨季の15位からの飛躍となったゼルビアの大躍進には海外からも熱視線が送られている。

　世界各国のサッカー情報を扱う海外メディア『Playing For 90』では10月22日、「町田ゼルビア、J１昇格を決める」と銘打った記事を配信。クラブ初となるJ１昇格に、賛辞などを綴っている。

　同メディアは「クロダ監督が率いる町田は、J２リーグで３試合を残した時点で勝点８差をつけ、首位に立っている。得点数は他のどのチームよりも多く（73）、失点数は39試合でわずか34。この守備と攻撃のバランスは、ステップアップする来年に大いに役立つだろう」と来季への見込みを示している。

　さらに「2023年に町田の指揮官に就任したクロダ監督は、青森山田高校で29年間指揮を執った。高校の監督からチームを初めてJ１に昇格させたクロダ監督のシンデレラストーリーである」として、プロ1年目でチームをJ１に導いた指揮官を高く評価。

　加えて、今季の戦いぶりを振り返りながら「ゼルビアは来年、トップリーグに多くの色をもたらすだろう。彼らのセットアップの上手さ、攻撃と守備のバランスの良さを見れば、ヴィッセル神戸のようなJリーグ初タイトルを狙うエリートクラブに問題を起こすだけの力がある」と上位クラブとも渡り合えるとも見通している。

　また、その一方では「チームを強化する資金があまりないことは想像に難くなく、その成功の一端はレンタル市場をいかにうまく活用するかにかかっているだろう」と指摘。今オフにおける補強戦略も来シーズンへ向け、重要になるとも主張している。

　２位以下の混戦にも巻き込まれることなく、ほぼ独走状態でJ１への切符を掴んだ。さまざまな面で異彩を放つ町田ゼルビアが、来季のJ１で波乱を巻き起こす存在となっても決して不思議ではないだろう。

構成●THE DIGEST編集部
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