ユベントスやイタリア代表で守備の要として君臨し、多くのタイトルに獲得してきた現ロサンゼルスFC所属のジョルジョ・キエッリーニが12月12日、そのキャリアに幕を下ろすことを明らかにした。

　MLSカップ決勝でコロンバス・クルーに敗れて連覇を逃してから３日後、彼は自身のSNSで「あなたは私の人生で最も美しく、情熱的な旅だった。あなたは私の全てだった。あなたとともに、唯一無二で忘れられない道を歩んできた。しかし今こそ、新たな章に進み、新たなチャレンジに向けて、重要かつエキサイティングな人生の１ページを書く時だ」と、サッカーと歩んできた人生の変化を表現している。

　1984年８月14日にピサで生を受け、12歳で入団したリボルノで育成年代を過ごし、2000年にセリエC１でプロデビューすると、2004年にユベントスに移籍。フィオレンティーナへのレンタル期間を経て、2005-06シーズンからは「ビアンコネーリ」で左SBとして定着。当初は攻撃力が評価される一方で、守備力には不安を抱えていたが、「カルチョ・スキャンダル」のペナルティーでセリエB降格となった2006-07シーズンからは、ディディエ・デシャン監督の下でCBとしての能力を発揮し始めた。
  　2011-12シーズンからセリエA９連覇を飾るカルチョの最強チームにおいて、アンドレア・バルザーリ、レオナルド・ボヌッチとともに「BBC」と呼ばれる鉄壁の最終ラインを形成し、さらにその背後に名GKジャンルイジ・ブッフォンが君臨するという強力守備陣は、国内だけでなく、欧州カップ戦でも対戦相手を苦しめ、チャンピオンズリーグでは、優勝には手が届かなかったものの、2014-15、2016-17シーズンに決勝進出を果たしている（前者では負傷欠場）。

　セリエA、B、Cの各カテゴリーでリーグ優勝（計11回）を経験しているキエッリーニは、コッパ・イタリア５回、スーペルコッパ５回もユベントスで獲得。そして、2022年夏に初めて欧州を離れて加入したロサンゼルスFCでは、MLS杯とサポーターズ・シールドでの優勝を経験した。

　イタリア代表としては、2004年11月17日のフィンランド戦で初キャップを刻み、優勝した2006年ドイツ・ワールドカップではメンバー候補に挙がりながらも最終的に落選したが、EURO2008を皮切りに、主力として６つの大会に出場。EUROでは2012年に決勝進出、2021年はキャプテンとして優勝と好成績を挙げた一方で、W杯は2010年、2014年でグループリーグ敗退、そして以降の２大会はショッキングな予選敗退と、苦い記憶ばかりが残る結果となった。