近年、レアル・マドリーがCBの補強を見送ってきたのは、要求を満たす選手がなかなか市場に現われなかったことも大きい。昨夏、レニー・ヨロ(現マンチェスター・ユナイテッド)の獲得に失敗した後、早々に打ち切りにしたのも、怪我人が続出する中、冬の移籍市場でCB獲りに動かなかったのもそのためだ。
【動画】サウジアラビア戦で中国FWが衝撃の“顔面キック”
しかしそんな中、彼らの理想のターゲット像ともいえる新星がスペイン代表に台頭した。ボーンマスに所属するディーン・ハイセンだ。スペイン紙『AS』は、その出現を「(マドリーにとって)決して逃すことのできない市場がもたらしたチャンス」と表現している。
そのポテンシャルについても同紙は、「強烈な個性の持ち主だ。右利きであるにもかかわらず、左CBとしてプレーすることを好み、CBであるにもかかわらず、中盤の選手顔負けのボールスキルを見せ、そして197センチの長身にかかわらず、フットワークが軽い。素晴らしい資質を兼ね備えている。弱冠19歳であるにもかかわらず、だ」と評価している。
マドリーはこのところ移籍金が高騰しがちであることを理由に、スペイン人選手を獲得する頻度がめっきり減っているが、ハイセンの場合も、今夏から有効となる5000万ポンド(約97億円)の契約解除条項が付随していると伝えられている。しかし『AS』は、「マドリーは本気だ。数週間前までは打診するだけにとどまっていたが、フロレンティーノ・ペレス会長は獲得に向けてアクセルを踏み込むことを決めたようだ」と本腰を入れるマドリーの決意を伝えている。
その本気度が増した背景に、デビューを果たしたスペイン代表でのハイパフォーマンスが関係しているのは想像に難くない。舞台はUEFAネーションズリーグ準々決勝、相手はオランダとプレッシャーのかかる状況だったが、好印象を与えた第1レグを経て、第2レグ後には「2戦を通じてMVP級の働きを見せた」と評価する現地識者もいたほどだ。
『AS』の副編集長のハビエル・シジェス氏は、その第2レグのパフォーマンスについて「ハイセンは試合のあらゆる局面において常にチームにメリットをもたらす存在になった。相手がペナルティーエリア内に進入してきた時も、自らが前に出てアプローチする時も、迷うことなく対応し、オープンスペースにおいても高い守備力を発揮した。さらに特筆すべきは、ボールを持った時のプレーだ。ラミネ・ヤマルのゴール(3点目)をお膳立てしたアシストに代表されるように、相手のDFラインの裏に何度も素晴らしいパスを通し、スペースがあればドリブルで前進し、局面を変えるサイドチェンジを見せた」と分析している。
もちろんハイセンの台頭は、スペイン代表にとっても朗報で、「2022年の終わりにスペインは、CBとしてウーゴ・ギジャモンとエリク・ガルシアを連れてカタールW杯に参戦したが、最終的には(中盤が本職の)ロドリがそのポジションでプレーした。翻って現代表には、18歳のパウ・クバルシ、22歳のラウール・アセンシオ、そして19歳のハイセンがいる」と『AS』の前編集長、アルフレッド・レラーニョ氏が指摘するように、エメリク・ラポルトとロビン・ノルマンのフランス帰化コンビを起用することで急場を凌いでいたCBは、一気に充実したセクションになった。
CBだけではない。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督率いるスペイン代表にはポジションを問わず、有望株が次々に台頭している。『ラジオ・マルカ』の人気MC、ミゲル・キンターナ氏は再び機運が盛り上がっている国民の期待を代弁する。「ハイセンやヤマルのような若手の活躍を見れば、興奮しないわけにはいかない。スペインは、まるで努力することなしに、再び才能を生み出しているようだ」
文●下村正幸
【動画】ネーションズリーグ準々決勝第2レグ スペイン対オランダのハイライト
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しかしそんな中、彼らの理想のターゲット像ともいえる新星がスペイン代表に台頭した。ボーンマスに所属するディーン・ハイセンだ。スペイン紙『AS』は、その出現を「(マドリーにとって)決して逃すことのできない市場がもたらしたチャンス」と表現している。
そのポテンシャルについても同紙は、「強烈な個性の持ち主だ。右利きであるにもかかわらず、左CBとしてプレーすることを好み、CBであるにもかかわらず、中盤の選手顔負けのボールスキルを見せ、そして197センチの長身にかかわらず、フットワークが軽い。素晴らしい資質を兼ね備えている。弱冠19歳であるにもかかわらず、だ」と評価している。
マドリーはこのところ移籍金が高騰しがちであることを理由に、スペイン人選手を獲得する頻度がめっきり減っているが、ハイセンの場合も、今夏から有効となる5000万ポンド(約97億円)の契約解除条項が付随していると伝えられている。しかし『AS』は、「マドリーは本気だ。数週間前までは打診するだけにとどまっていたが、フロレンティーノ・ペレス会長は獲得に向けてアクセルを踏み込むことを決めたようだ」と本腰を入れるマドリーの決意を伝えている。
その本気度が増した背景に、デビューを果たしたスペイン代表でのハイパフォーマンスが関係しているのは想像に難くない。舞台はUEFAネーションズリーグ準々決勝、相手はオランダとプレッシャーのかかる状況だったが、好印象を与えた第1レグを経て、第2レグ後には「2戦を通じてMVP級の働きを見せた」と評価する現地識者もいたほどだ。
『AS』の副編集長のハビエル・シジェス氏は、その第2レグのパフォーマンスについて「ハイセンは試合のあらゆる局面において常にチームにメリットをもたらす存在になった。相手がペナルティーエリア内に進入してきた時も、自らが前に出てアプローチする時も、迷うことなく対応し、オープンスペースにおいても高い守備力を発揮した。さらに特筆すべきは、ボールを持った時のプレーだ。ラミネ・ヤマルのゴール(3点目)をお膳立てしたアシストに代表されるように、相手のDFラインの裏に何度も素晴らしいパスを通し、スペースがあればドリブルで前進し、局面を変えるサイドチェンジを見せた」と分析している。
もちろんハイセンの台頭は、スペイン代表にとっても朗報で、「2022年の終わりにスペインは、CBとしてウーゴ・ギジャモンとエリク・ガルシアを連れてカタールW杯に参戦したが、最終的には(中盤が本職の)ロドリがそのポジションでプレーした。翻って現代表には、18歳のパウ・クバルシ、22歳のラウール・アセンシオ、そして19歳のハイセンがいる」と『AS』の前編集長、アルフレッド・レラーニョ氏が指摘するように、エメリク・ラポルトとロビン・ノルマンのフランス帰化コンビを起用することで急場を凌いでいたCBは、一気に充実したセクションになった。
CBだけではない。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督率いるスペイン代表にはポジションを問わず、有望株が次々に台頭している。『ラジオ・マルカ』の人気MC、ミゲル・キンターナ氏は再び機運が盛り上がっている国民の期待を代弁する。「ハイセンやヤマルのような若手の活躍を見れば、興奮しないわけにはいかない。スペインは、まるで努力することなしに、再び才能を生み出しているようだ」
文●下村正幸
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