前日の雨で第1試合の試合開始が8時から9時に変更となり、第3試合にも集中豪雨で一時中断があったため第4試合の終了が20時35分となった大会第10日。まず見事な打撃を見せたのが東洋大姫路の4番、白鳥翔哉真(3年・外野手)だ。
兵庫大会では打率.680という驚異的な数字を記録し、1回戦の済美戦でも2安打2打点をマーク。その影響もあって第1打席はいきなり申告敬遠となったが、その後は3本のタイムリー、そのうち2本がツーベースという見事な活躍で4番としての役割を果たした。
左打者だが身体が一塁側に流れることがなく、しっかり残して鋭く身体の近くから振り出し、左投手もまったく苦にしない。この日もセンターから逆方向にしっかり打ち返しており、広角に強く打てるのも魅力だ。打撃技術の高さという意味では今大会に出場している選手の中でもトップクラスであることは間違いないだろう。
第2試合はロースコアの接戦となったが、試合を決める一打を放ったのが西日本短大付の4番、佐藤仁(3年・一塁手)だ。センバツでもホームランを放つなどそのパワーは高校生離れしたものがある。この日は第1打席ではチャンスで空振り三振に倒れたものの、第2打席では鋭い当たりのセカンドライナーを放つなど徐々に対応。そして同点で迎えた8回の第4打席で142キロのストレートをとらえてレフトオーバーの勝ち越しタイムリーを放ち、これが決勝点となって試合を決めてみせた。 構えた時の雰囲気と、全身を使ったフルスウィングの迫力は高校生離れしたものがあり、ヘッドスピードと打球の速さも目を見張るものがある。相手の聖隷クリストファーのエース、高部陸(2年・投手)も今大会を代表する好投手であり、そんなピッチャーを相手に結果を残したことも大きな自信となったはずだ。3回戦以降ではセンバツに続く一発にも期待したい。
下級生では第4試合で勝利を収めた県岐阜商のエース、柴田蒼亮(2年・投手)が見事な投球を見せた。3回に自らの暴投で1点は失ったが、4回までは東海大熊本星翔打線をノーヒットに抑えると、中盤以降は毎回ピンチを背負う苦しい投球ながら3失点にまとめて完投勝利。ストレートは9回まで140キロ台の出力をキープし、6個の四球を与えたものの、大きく外れるボールは少なく制球も安定している。走者を背負っても落ち着いたマウンドさばきは2年生とは思えないものがあった。順調にいけば来年は東海地区を代表する存在となる可能性は高いだろう。
構成●THE DIGEST写真部
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