エースが球団史に新たな金字塔を刻んだ。

　現地10月14日、ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸がミルウォーキー・ブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズに先発。９回３安打１四球１失点で自身メジャー初の完投勝利を飾った。その裏で、驚くべき快記録を成し遂げている。

　立ち上がりは先頭打者のジャクソン・チョーリオに初球96.9マイル（約156キロ）の直球を右中間席へ運ばれる被弾。いきなり先制アーチを食らったが、その後は内野ゴロ３つに打ち取り最少失点で切り抜ける。

　２回表に味方打線がテオスカー・ヘルナンデスの同点ソロ、アンディ・パヘスの適時二塁打で逆転に成功。援護を受けた山本はその裏、失策でランナーを出したが無失点に抑える。

　３、４回はシングルヒットを浴びたが、二塁すら踏ませぬピッチングで後続をピシャリ。５回１死からこの日初めて四球を与えたが、先制弾を浴びたチョーリオを左直、続くブライス・チュラングを高めのカーブで見逃し三振に斬って取った。

　ドジャースは６回にマックス・マンシーのソロ弾で点差を広げると、７回には大谷翔平の右適時打で４対１にリードを拡大。８回には、トミー・エドマンにもダメ押し適時打が飛び出し、ブルワーズを突き放した。

　山本は６回以降の３イニングはすべて三者凡退とブルワーズ打線に付け入る隙を与えない。９回もマウンドに上がった山本は簡単に２死を奪うと、最後はアンドルー・ボーンを内角にズバッと決めるスプリットで空振り三振。111球を投げ抜き、ブルワーズ打線をまったく寄せ付けなかった。
  　圧巻のピッチングでチームを勝利に導いた山本に米データ分析会社『OptaSTATS』は驚きの記録を発見する。同社によると、初回に先頭打者ホームランを献上したものの、その後は無失点に抑えて完投した投手はMLBのポストシーズン史上２人目。もうひとりは、1954年のワールドシリーズ第２戦でサンフランシスコ・ジャイアンツのジョニー・アントネリが達成したと報じた。「ちなみに両者とも初球でホームランを打たれている」と付け足し、ドジャースの背番号18が71年ぶりにメジャー記録に並んだ。

　第１戦はブレイク・スネルが８回10奪三振無失点の好投でドジャースが先勝。その勢いに乗り、山本が今ポストシーズンで最高のパフォーマンスを発揮して敵地で２連勝と最高のスタートを切った。

構成●THE DIGEST編集部

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