いよいよ日本時間の明日、現地10月24日からワールドシリーズが始まる。ドジャースとブルージェイズの対決となった2025年MLBの頂上決戦の見どころを紹介していこう。
22年ぶりのワールドシリーズ出場を果たしたブルージェイズの先発投手陣を牽引しているのがケビン・ゴーズマンとトレイ・イェサベージの2人の右腕だ。
メジャー11年目を迎えるベテランのゴーズマンは、4登板(3先発)で計18イニングを投げ、防御率2.00。ア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦では7回にスクランブル登板し、3四球を与えながらも無失点に封じ、その後の逆転劇を呼び込んでいる。
開幕時点は1A、9月にメジャーデビューしたばかりのイェサベージの快進撃はそれ以上だった。ヤンキースとの地区シリーズ第2戦では6回途中無安打無失点11奪三振(1四球)の快投でプレーオフ初登板を飾ると、リーグ優勝決定シリーズ第2戦では打ち込まれたものの、第6戦では6回途中2失点と再び好投し、チームの勝利に貢献した。
両者のピッチングを核となっているのがスプリッターだ。まずは下の数字を見てほしい。これはゴーズマンとイェサベージの今ポストシーズンにおけるスプリッターの投球データだ。
▼ゴーズマン
投球割合:43.3% 被打率.036 空振り/スウィング率:50.0%
▼イェサベージ
投球割合:32.3% 被打率.125 空振り/スウィング率:59.0%
もともとメジャー屈指のスプリッターの使い手として知られるゴーズマンは、このポストシーズンでも自慢のウイニングショットを惜しむことなく多投。投球割合は実に全体の4割以上を占めていながら、被打率.036とほぼ完璧に打者を封じ込めている。しかも空振り/スウィング率も50%の高水準。まさに“伝家の宝刀”と呼ぶにふさわしい。
イェサベージも負けてはいない。投球割合は32.3%とそこまで高くないが、被打率や空振り/スウィング率を見れば、ゴーズマンと同じく“魔球”の域に達していること分かる。彼の場合、腕の角度64度と文字通り「真上」に近い角度から投げ下ろすことで、他の投手とは違う効果を生んでいる。地区シリーズで対戦したヤンキースの打者たちは「映像で見るのと実際に打席の入るとでは全然違う」(ベン・ライス)と驚くばかりだった。
ドジャース打線は今季、スプリッターに対して打率.237、長打率.438を記録しており、これはMLB全体でそれぞれ5位と3位と上手く対応力している。だが、イェサベージのスプリッターは、他の投手とはまた別物。この数字がそのまま当てはまるとは言いきれないだろう。
ワールドシリーズでは、第1戦がイェサベージ、第2戦がゴーズマンの先発予定。下馬評ではドジャース優勢なだけに、ブルージェイズとしてはホームでの2試合で最低でも1勝はしておきたい。それだけに、2人の投球がそのままチームの命運を左右すると言っても過言ではない。
構成●SLUGGER編集部
【動画】“ピッチング・ニンジャ”も注目!ゴーズマンとイェサベージのスプリッターを比較してみた
22年ぶりのワールドシリーズ出場を果たしたブルージェイズの先発投手陣を牽引しているのがケビン・ゴーズマンとトレイ・イェサベージの2人の右腕だ。
メジャー11年目を迎えるベテランのゴーズマンは、4登板(3先発)で計18イニングを投げ、防御率2.00。ア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦では7回にスクランブル登板し、3四球を与えながらも無失点に封じ、その後の逆転劇を呼び込んでいる。
開幕時点は1A、9月にメジャーデビューしたばかりのイェサベージの快進撃はそれ以上だった。ヤンキースとの地区シリーズ第2戦では6回途中無安打無失点11奪三振(1四球)の快投でプレーオフ初登板を飾ると、リーグ優勝決定シリーズ第2戦では打ち込まれたものの、第6戦では6回途中2失点と再び好投し、チームの勝利に貢献した。
両者のピッチングを核となっているのがスプリッターだ。まずは下の数字を見てほしい。これはゴーズマンとイェサベージの今ポストシーズンにおけるスプリッターの投球データだ。
▼ゴーズマン
投球割合:43.3% 被打率.036 空振り/スウィング率:50.0%
▼イェサベージ
投球割合:32.3% 被打率.125 空振り/スウィング率:59.0%
もともとメジャー屈指のスプリッターの使い手として知られるゴーズマンは、このポストシーズンでも自慢のウイニングショットを惜しむことなく多投。投球割合は実に全体の4割以上を占めていながら、被打率.036とほぼ完璧に打者を封じ込めている。しかも空振り/スウィング率も50%の高水準。まさに“伝家の宝刀”と呼ぶにふさわしい。
イェサベージも負けてはいない。投球割合は32.3%とそこまで高くないが、被打率や空振り/スウィング率を見れば、ゴーズマンと同じく“魔球”の域に達していること分かる。彼の場合、腕の角度64度と文字通り「真上」に近い角度から投げ下ろすことで、他の投手とは違う効果を生んでいる。地区シリーズで対戦したヤンキースの打者たちは「映像で見るのと実際に打席の入るとでは全然違う」(ベン・ライス)と驚くばかりだった。
ドジャース打線は今季、スプリッターに対して打率.237、長打率.438を記録しており、これはMLB全体でそれぞれ5位と3位と上手く対応力している。だが、イェサベージのスプリッターは、他の投手とはまた別物。この数字がそのまま当てはまるとは言いきれないだろう。
ワールドシリーズでは、第1戦がイェサベージ、第2戦がゴーズマンの先発予定。下馬評ではドジャース優勢なだけに、ブルージェイズとしてはホームでの2試合で最低でも1勝はしておきたい。それだけに、2人の投球がそのままチームの命運を左右すると言っても過言ではない。
構成●SLUGGER編集部
【動画】“ピッチング・ニンジャ”も注目!ゴーズマンとイェサベージのスプリッターを比較してみた
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