2025年のワールドシリーズは、ロサンゼルス・ドジャースの連覇で幕を閉じた。米紙『USA Today』のボブ・ナイチンゲール記者は、「あまりにも素晴らしく、あまりにも魅力的で、あまりにも息を呑むほどで、あまりにもドラマチックだった」と振り返った。
「え? 俺たち勝ったの? 本当に?」ブルペンにいたクレイトン・カーショウは「ウォーミングアップ中だったら、勝ったなんてまったく分からなかった」という。「午前3時近く、ドジャース一行がトロントのロジャース・センターをバスで出発した時、彼らは何が起きたのかを理解しようとしていた。そんな夜だった」とナイチンゲール記者は記載した。
「9回表の本塁打と、9回裏の好守備でチームを救ったミゲル・ロハスは、肋骨痛で第7戦の出場が危ぶまれていた。ウィル・スミスはワールドシリーズ史上最多の74イニングすべてで捕手を務め、11回に決勝アーチ。先発投手は全員がマウンドに上がった」
総力戦の第7戦で、一番の輝きを放ったのは山本由伸だ。ナイチンゲール記者も「第6戦で96球を投げて勝利投手となり、翌日の第7戦にはリリーフ登板。その夜、どのドジャースの投手よりも多くのイニングを投げて、またも勝利投手となった」と称賛した。
ナイチンゲール記者によると、ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長は山本について「私がメジャーの球場で見たなかで、最も印象的な偉業だ。第6戦のような素晴らしい投球をまた見せてくれた。本当に驚くばかりだ」と語ったという。
山本は第2戦で完投したばかりか、延長18回までもつれた第3戦でも、ブルペンに入って準備を進めた。第6戦では6回1失点で勝ち投手となり、第7戦では優勝投手となった。
「山本は本当に、完璧にやってのけた」とナイチンゲール記者は賛辞を送り、「次々と打者を抑え、イニングを重ね、そしてシリーズMVPのトロフィーを掲げる頃には、疲労で腕が上がらなかった。“もう明日は投げられない!”。山本がそう叫ぶと、クラブハウスは大爆笑に包まれた」と裏話も明かした。
ドジャースは23年12月、山本と12年3億2500万ドル(当時約465億円)で契約。投手としてMLB史上最高額だった。「もう山本の金額を批判する者はいないだろう。筆頭オーナーのマーク・ウォルターは、山本が来たらワールドシリーズで優勝できると言っていた。それは2年連続で実現した」。
ワールドシリーズが始まる前、大きな注目が集まっていたのは、ドジャースの大谷翔平とブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.の対決だったが、すべての話題を山本がかっさらっていった。
さらにナイチンゲール記者は、ドジャースの選手、コーチたちの“山本評”を記した。
リリーフのジャック・ドレイヤーは「狂気の沙汰だ。あんなパフォーマンスは誰にも真似できない。(第7戦9回の)初球が93マイル(約149.7キロ)のスプリットだった。ヤバすぎる。あれはもう人間じゃない」と心境を明かした。
「今夜、ヤマがやったことは、この先誰もできないだろう。誰も成し遂げたことがないほど、勇気と度胸のある行為だ」と日本人エースを称えたのは、今シーズン限りで現役を引退するカーショウだ。
ポストシーズン5勝1敗、防御率1.45、完投2試合。マーク・プライアー投手コーチは「野球だけでなく、あらゆるスポーツのなかでも歴史に残るパフォーマンスだった。第3戦18回のブルペン入りも含めて、彼の3勝がなければ優勝できなかった。MVPにふさわしい活躍だ」と語った。
一塁手のフレディ・フリーマンは、「(第7戦の9回)ヤマがブルペンからマウンドに向かった時、“本当にすごい。投げられるなんて信じられない”と思った。こんなことは初めてだ。彼の記事を毎日書いても、来年までネタにできるだろうね」と驚きを隠さなかった。
「なんてチームなんだ」とドジャースの底力に感嘆したナイチンゲール記者は、次のようなフレーズで記事を締めている。
「東京での開幕戦に始まり、アメリカで160試合、そしてポストシーズンの17試合。最後はカナダで世界一になった。空港の税関で“何か申告するものは?”と聞かれていたら、こう答えたはずだ。“私たちはドジャースです。ワールドシリーズのトロフィーを持っていますよ”」
構成●THE DIGEST編集部
【動画】ドジャース独自の“第7戦ハイライト” & チャーター機内の貴重映像!
 
                        
                
                        
                
      
      
            「え? 俺たち勝ったの? 本当に?」ブルペンにいたクレイトン・カーショウは「ウォーミングアップ中だったら、勝ったなんてまったく分からなかった」という。「午前3時近く、ドジャース一行がトロントのロジャース・センターをバスで出発した時、彼らは何が起きたのかを理解しようとしていた。そんな夜だった」とナイチンゲール記者は記載した。
「9回表の本塁打と、9回裏の好守備でチームを救ったミゲル・ロハスは、肋骨痛で第7戦の出場が危ぶまれていた。ウィル・スミスはワールドシリーズ史上最多の74イニングすべてで捕手を務め、11回に決勝アーチ。先発投手は全員がマウンドに上がった」
総力戦の第7戦で、一番の輝きを放ったのは山本由伸だ。ナイチンゲール記者も「第6戦で96球を投げて勝利投手となり、翌日の第7戦にはリリーフ登板。その夜、どのドジャースの投手よりも多くのイニングを投げて、またも勝利投手となった」と称賛した。
ナイチンゲール記者によると、ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長は山本について「私がメジャーの球場で見たなかで、最も印象的な偉業だ。第6戦のような素晴らしい投球をまた見せてくれた。本当に驚くばかりだ」と語ったという。
山本は第2戦で完投したばかりか、延長18回までもつれた第3戦でも、ブルペンに入って準備を進めた。第6戦では6回1失点で勝ち投手となり、第7戦では優勝投手となった。
「山本は本当に、完璧にやってのけた」とナイチンゲール記者は賛辞を送り、「次々と打者を抑え、イニングを重ね、そしてシリーズMVPのトロフィーを掲げる頃には、疲労で腕が上がらなかった。“もう明日は投げられない!”。山本がそう叫ぶと、クラブハウスは大爆笑に包まれた」と裏話も明かした。
ドジャースは23年12月、山本と12年3億2500万ドル(当時約465億円)で契約。投手としてMLB史上最高額だった。「もう山本の金額を批判する者はいないだろう。筆頭オーナーのマーク・ウォルターは、山本が来たらワールドシリーズで優勝できると言っていた。それは2年連続で実現した」。
ワールドシリーズが始まる前、大きな注目が集まっていたのは、ドジャースの大谷翔平とブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.の対決だったが、すべての話題を山本がかっさらっていった。
さらにナイチンゲール記者は、ドジャースの選手、コーチたちの“山本評”を記した。
リリーフのジャック・ドレイヤーは「狂気の沙汰だ。あんなパフォーマンスは誰にも真似できない。(第7戦9回の)初球が93マイル(約149.7キロ)のスプリットだった。ヤバすぎる。あれはもう人間じゃない」と心境を明かした。
「今夜、ヤマがやったことは、この先誰もできないだろう。誰も成し遂げたことがないほど、勇気と度胸のある行為だ」と日本人エースを称えたのは、今シーズン限りで現役を引退するカーショウだ。
ポストシーズン5勝1敗、防御率1.45、完投2試合。マーク・プライアー投手コーチは「野球だけでなく、あらゆるスポーツのなかでも歴史に残るパフォーマンスだった。第3戦18回のブルペン入りも含めて、彼の3勝がなければ優勝できなかった。MVPにふさわしい活躍だ」と語った。
一塁手のフレディ・フリーマンは、「(第7戦の9回)ヤマがブルペンからマウンドに向かった時、“本当にすごい。投げられるなんて信じられない”と思った。こんなことは初めてだ。彼の記事を毎日書いても、来年までネタにできるだろうね」と驚きを隠さなかった。
「なんてチームなんだ」とドジャースの底力に感嘆したナイチンゲール記者は、次のようなフレーズで記事を締めている。
「東京での開幕戦に始まり、アメリカで160試合、そしてポストシーズンの17試合。最後はカナダで世界一になった。空港の税関で“何か申告するものは?”と聞かれていたら、こう答えたはずだ。“私たちはドジャースです。ワールドシリーズのトロフィーを持っていますよ”」
構成●THE DIGEST編集部
【動画】ドジャース独自の“第7戦ハイライト” & チャーター機内の貴重映像!




