現役時代は日本ハムやダイエー（現・ソフトバンク）などで活躍し、最優秀救援投手（現・最多セーブ王）と最多勝を獲得した野球解説者の武田一浩氏が、自身のYouTube内で来年３月に開催される「2026 ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）」について語った。

　現時点で日本代表「侍ジャパン」は、WBCに大谷翔平や山本由伸、佐々木朗希（ともにロサンゼルス・ドジャース）らMLB所属選手が参加するかどうかが不透明になっている。武田氏は「MLBの選手全員が出場できれば、優勝候補。大谷は投手としては投げないかもしれないが、バッターでは出そうな気がする」と推測する。

　11月15日と16日に行なわれた韓国戦では、日本はNPB所属選手のみで臨んだ。その際にMLBでは導入済みでWBCでも採用される「ピッチクロック」への対応が、特にリリーフ陣が不十分だったと武田氏は振り返る。その意味でも普段からピッチクロックに慣れているMLB組の出場が望しいと指摘し、そのポイントは指揮官だという。

「井端（弘和監督）が、どこまで求心力があるかじゃないの。MLBの選手が出るか出ないかって、（優勝した2023年の）前回は栗山（英樹監督）さんがやったので、大谷らを楽に誘えたんだろうけど、どうなんだろうな」

　野手については、日本人のMLB選手が不在のキャッチャーやショート、センターに言及。キャッチャーは坂本誠志郎（阪神タイガース）と中村悠平（東京ヤクルトスワローズ）、ショートは小園海斗（広島東洋カープ）や村林一輝（東北楽天ゴールデンイーグルス）、野村勇（福岡ソフトバンクホークス）、センターには森下翔太（阪神タイガース）と周東佑京（ソフトバンク）らを挙げる。
  　さらに、ともに今オフにポスティングシステム利用でのMLB挑戦を目指している岡本和真（読売ジャイアンツ）と村上宗隆（ヤクルト）が、前回大会に吉田正尚がMLB移籍直前に出場したのを例に、「出たいだろうからね。出れるとなると、ファーストとサードは決まり」と予測した。

　他国については、まずアメリカ代表に言及。MLBナ・リーグのサイ・ヤング賞を獲得したポール・スキーンズ（ピッツバーグ・バイレーツ）やギャレット・クローシェイ（ボストン・レッドソックス）といった投手が出ると言われているなか、武田氏は「出てくれば、なかなか打てないよ。球数制限があるから代わるけど」と述べる。

　打者もア・リーグMVPのアーロン・ジャッジ（ニューヨーク・ヤンキース）やカル・ローリー（シアトル・マリナーズ）、コービン・キャロル（アリゾナ・ダイヤモンドバックス）が揃い、武田氏は「強いよアメリカ。ヤバいでしょ。これは結構大変だな」と警戒する。

　またフアン・ソト（ニューヨーク・メッツ）やフェルナンド・タティースJr.（サンディエゴ・パドレス）らが参加を表明しているドミニカ代表についても、武田氏は「ピッチャーが良ければ、かなり強いと思う」と優勝候補の一つにした。

　そして「出るメンバーによる」としつつ、日本はMLB組が参加すれば「強いのはドミニカ、アメリカ、日本じゃない」と見立てた。

構成●THE DIGEST編集部

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