専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

【2010年代通信簿:ソフトバンク】補強と育成の両面で投資を惜しまない姿勢が日本一6回の強さの源泉

出野哲也

2020.06.02

10年間で日本一6回とこの世の春を謳歌したホークス。勝利への飽くなき姿勢が見事に結実している。(写真)朝日新聞社

10年間で日本一6回とこの世の春を謳歌したホークス。勝利への飽くなき姿勢が見事に結実している。(写真)朝日新聞社

 2020年、新たな年代が幕を開ける。ここで改めて、各チームの過去10年間の戦績を通信簿形式で評価してみたい(通信簿は「よくできました」「まずまずです」「可もなし不可もなし」「がんばりましょう」の4段階)。今回は、球界最強軍団の名を欲しいままにするソフトバンクの軌跡を振り返ってみよう。

■2010年代通算成績
807勝577敗51分(勝率.583)/パ・リーグ1位(12球団1位)
日本一:6回 リーグ優勝:5回 CS進出:9回

通信簿:よくできました

 10年代だけで日本一6回、負け越しは一度もなく、勝率.583も12球団1位。17年などは、154試合制だった1956年以来の94勝という圧巻の強さだった。

 桁違いの資金力がその強さを支えているのは言うまでもない。10~13年の4年だけでFA選手を6人も獲得し、11年に加入した内川聖一は、打率.338で史上2人目の両リーグでの首位打者となった。FA移籍にはカウントされていないけれども、岡島秀樹に五十嵐亮太、16年に5年ぶりに復帰した和田毅ら、メジャー帰りの日本人選手も多数加入させている。
 
 それ以上に目立つのが、他球団で実績を残した外国人選手を、大金を提示して引っ張ってくるケースだ。11年にオリックスから獲得したアレックス・カブレラこそ期待外れに終わったものの、14年はサファテ(←西武)、スタンリッジ(←阪神)、ウルフ(←日本ハム)、李大浩(←オリックス)をまとめて手に入れた。このスタンリッジは2年連続2ケタ勝利、李は15年に31本塁打、98打点。そしてサファテは15年から3年連続最多セーブ、17年には日本新記録となる54セーブを稼いでMVPに選ばれた。その17年は、ロッテから引き抜いたデスパイネも35本塁打、103打点で二冠王になっている。他球団のファンが“金満野球”と揶揄するのも無理からぬところだ。

 しかし、ホークスが金の力だけで勝っていると決めつけるのは単純に過ぎる。11年から他球団に先駆けて三軍制度を導入し、乱獲と思えるほどの数の育成選手を保有。16年にはファーム施設「HAWKSベースボールパーク筑後」が完成し、最新の科学的トレーニングを取り入れて徹底的に鍛え上げている。19年にはMLBのドラフトで1巡目指名されたスチュワートJr.と7年契約を結び、日米で大きな話題を呼んだ。
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号