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阪神で逆風に苛まれるロハスJr.。それでも韓国球界で電撃復帰が囁かれ続ける事情とは?「カムバックは十分に現実性がある」

THE DIGEST編集部

2022.07.26

なかなか復調の兆しが見えてこないロハスJr.。今季中の退団を指摘する声が絶えない助っ人砲を韓国メディアはどう見ているのか?写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

なかなか復調の兆しが見えてこないロハスJr.。今季中の退団を指摘する声が絶えない助っ人砲を韓国メディアはどう見ているのか?写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 猛虎が逆襲の狼煙を上げるなか、助っ人砲が逆風に苛まれている。阪神のメル・ロハスJr.だ。

 7月24日に行なわれた横浜戦に1対0で競り勝った阪神。今季5度目の同一カード3連勝を飾ったチームは、最大16もあった借金を完済。勝率を5割に戻して2位に浮上した。

 首位ヤクルトとの差は11ゲームとまだまだ遠い。だが、矢野燿大監督が「後半にドラマを起こす舞台が整ったと思う」と意気込むように、開幕9連敗を喫した春先とは異なる前向きなムードがチームを包み込んでいる。

 そのなかにあって、ロハスJr.の状態は芳しくない。2020年のKBOリーグ(韓国リーグ)二冠王とMVPという実績を引っ下げて来日した32歳は、入団2年目の今季も主力になり切れずにいる。打率.200、本塁打4本、OPS.685というスタッツは、事の深刻さを如実に物語っている。

 二軍では11試合で打率.351、長打率.568、出塁率.442と“打ちまくっている”。それだけに球団首脳陣も安易に「下で調整させる」と言うわけにもいかず、ロハスJr.を1軍のベンチに置き、要所で代打として使う起用法を続けている。

 来日前に見せていた出色のパフォーマンスが見る影もないロハスJr.の現状には、彼の実力を熟知する韓国でも厳しい指摘が飛んでいる。古巣KTウィズのイ・ガンチョル監督は、『MT Sports』など複数メディアの取材で「ロハスとの契約をめぐって、阪神との問題を解決しようとしたのは事実だ」と述べ、次の持論を語った。

「最終的にもう少し様子を見ることになったのだが、来年に獲得するかは分からない。もし、するとしたら彼が守備もこなせるようにならなければ厳しい。DHを使うとなると他の選手を休ませられないから難しくなる」
 

 もっとも、ロハスJr.を再獲得すべきという声もあるにはある。韓国球界ではアメリカや日本から引き抜いた新助っ人が軒並み不振に喘いでいるため、過去に高い実績を残した助っ人は適応までの時間を要さず、戦力としての計算が立ちやすいと考えられているからだ。

 韓国のスポーツサイト『MK Sports』は「ロハスの日本での再契約は不透明なままではあるが、少なくとも今の状態が続けば、間違いなく阪神を退団するだろう」と前置きしたうえで、「韓国復帰の可能性は開かれている」と強調した。

「KBOリーグで安定した成績を残した実績を持つロハスほどの選手を新たに探し求めることは決して容易ではない。日本での失敗は気にかかる問題ではあるが、コロナウイルスの影響による適応の難しさなどを加味すれば、そのリスクは十分に飲み込める。

 あとはKTが決心をしなければならない。ロハス以後の外国人打者がKBOリーグ全体で相次いで失敗し、ハンファなどが新たに新戦力を迎え入れた現状を考えても、彼をカムバックさせるのは十分に現実性のある話だ」

 今夏に新たに加入したアデルリン・ロドリゲスに先発の座を譲り、ますます厳しい立場に追いやられているロハスJr.。シーズン後半戦でもチャンスは限られると想像できるが、はたして、32歳のスラッガーはアピールできるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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