メジャーリーグにおける“夏の風物詩”となっているトレードが8月2日(現地時間)に締め切られた。最終日にワシントン・ナショナルズとサンディエゴ・パドレスが、超逸材打者ホアン・ソトと若手有望株が絡んだ大型トレードを成立させるなど、今季も土壇場までさまざまなドラマに彩られた。
例年に負けず劣らず実力派選手たちのトレードが相次いだ今夏のトレード市場。その一方で「移籍濃厚」と言われながら、最終的にチームが残留となった選手たちもいる。なかでも、シカゴ・カブスのウィルソン・コントレラスとイアン・ハップの動向は印象的なものになった。
両雄はともに今季もカブスの絶対的な主力として活躍。とりわけ正捕手を務めるコントレラスは2023年シーズン終了後で契約満了となるため、バリューも高く、今夏のトレード市場における“目玉”として話題に。各球団の動きが本格化した7月上旬ごろには、全米のほとんどのメディアがカブスは2人を放出するだろうと伝えていた。
ゆえに本人たち、そしてファンもカブスからの退団を覚悟。7月26日(現地時間)に行なわれたトレード期限前最後のホームゲームでは、球場全体から二人に惜別の拍手が送られ、「顔を上げてここから去ることができる」(コントレラス談)と当人たちが涙ぐみながら脱帽。コントレラスに至っては、自身のインスタグラムアカウントからカブスに関連した投稿を削除するほどだった。
はたして、トレードは最後まで実現しなかった。カブスのジェド・ホイヤー編成部長曰く、「市場ではさまざまなチームと話をする。だが、オールスター級の選手を迎え入れるためのやる気がどれだけあるかが大事になる……今年は、それを見出すことができなかった」という。つまりはコントレラスとハップに見合うだけの見返りを見出せなかったわけである。
無論、彼らのエモーショナルな惜別シーンに心を揺さぶられた人々からは、“ぬか喜び”をいじる声も上がった。しかし、残留はカブス・ファンにとっては当然ながら、本人たちにとってもホッとする瞬間になったようだ。
残留決定後、地元紙『Chicago Sun Times』などの取材に応じたハップは「クレイジーな1週間だった」と吐露。また、コントレラスも「肩の荷が下りたね」と、率直な想いを語った。
「本当に落ち着いた。正直言って、どうなるか分からなかったから、とても不安だった。これでようやく野球に集中できる。ただ、前にも言ったけど、これはビジネスだ。難しい感情なんか一切ないし、球団を責めるつもりなんかない。彼らは彼らのやるべきことをやっただけだ」
無事(?)、カブス残留が決まったコントレラスとハップ。プレーに集中できる環境が整った彼らは、ここから成績を伸ばせるだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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