専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

「本当はやりたくなかったんだ」ジャッジの執念が呼んだヤ軍劇的サヨナラ勝利!現地メディアは「忘れられない夜」と称賛

THE DIGEST編集部

2022.09.21

ア・リーグ歴代2位の60号本塁打を放ったジャッジ。年間最多本塁打記録を射程にとらえた。(C)Getty Images

ア・リーグ歴代2位の60号本塁打を放ったジャッジ。年間最多本塁打記録を射程にとらえた。(C)Getty Images

 ついにレジェンドと肩を並べた。ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジが現地時間9月20日、本拠地ヤンキー・スタジアムで行われたピッツバーグ・パイレーツ戦に「1番・右翼」で先発出場。9回の第5打席に4点リードを許す場面で、ウィル・クロウから反撃の狼煙を上げる第60号ソロ本塁打を左中間スタンドへ放った。60号到達はメジャー史上6人目で、1961年にロジャー・マリス(ヤンキース)が記録したア・リーグ年間最多本塁打(61本)に王手をかけた。

【動画】A.ジャッジがヤンキースのレジェンド B.ルースに並ぶ60号本塁打!チームも劇的なサヨナラ勝ち!

 4対8と敗色濃厚な中、第5打席に入ったジャッジ。ここまで3打数無安打1四球だったが、カウント3-1からクロウが5球目に投じた95.3マイル(約154キロ)のシンカーをとらえると、打球はヤンキースファンが待つレフトスタンドへ。打った瞬間、球場は60号本塁打の興奮に包まれた。60本は1927年のベーブ・ルースに並び、チーム歴代2位タイに並んだ。ダイヤモンドを一周し終え、淡々とベンチに戻ったジャッジ。その後、チームメイトに促され、観客の声援に右手を挙げて短く応えた。
 
 この場面について、ヤンキース番記者のエリック・ボーランド記者が自身のツイッターに「ジャッジは『チームメイト全員とアーロン・ブーン監督に説得されてカーテンコールに参加したんだ』という。彼は『本当はやりたくなかったんだ。(なぜなら)点差が開いて負けていたなかでのソロホームランだったからね』と。しかし、それはファンのためでもあった。『彼らはそこにいて、僕らと一緒にいてくれたから、あの瞬間を味わうのにふさわしいよ』」と投稿した。

 個人の記録よりも、チームの勝利を優先したかったジャッジ。その願いはチームメイトにも伝わり、9回のヤンキースは猛攻。2番アンソニー・リゾーの二塁打を皮切りに満塁までチャンスを作ると、5番ジャンカルロ・スタントンが満塁本塁打。9対8と劇的なサヨナラ勝ちを飾り、最高の形でゲームを締めた。

 ヤンキースの公式ツイッターには「忘れられない夜。」、「野球は美しい」、「ようこそ、我が家のパーティーへ」など、ジャッジの偉業と勝利を呼び込んだこの日のヒーロー、スタントンを称賛している。

 残り15試合。ジャッジのア・リーグ年間最多本塁打記録更新は秒読みに入った。さらに、打率.316、打点128はア・リーグトップに立ち、三冠王の可能性も現実味を帯びてきた。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)との熾烈なMVP争いでも、この日は価値ある一発になったといえる。稀代のスラッガーの一挙手一投足に、注目は尽きない。

構成●湯川 泰佑輝(THE DIGEST編集部)

【関連記事】ジャッジが60号到達! “神様ルース”に並ぶ大台に現地メディア賛辞「お辞儀をしよう」。最後はスタントンが逆転サヨナラ満塁弾の祝砲

【関連記事】9月は長打率1.018! ジャッジは“投げない”が大谷翔平にも負けない! 驚異的なスタッツで見る怪物の歴史的な凄み

【関連記事】大谷翔平は「異次元からやってきた」。MVP論争に米放送局が指摘した指標で表せない“価値”とは?「ジャッジは入れない」
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号