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「MLB基準では完全にプラス」藤浪晋太郎の“剛速球”に米専門メディアが注目!起用法には「無駄な球を投げる回数を大幅に減った」

THE DIGEST編集部

2023.01.15

アスレティックス入団が決まった藤浪。高校時代はエンジェルスの大谷よりも評価が高かった剛腕が今季メジャーに挑戦する。写真:THE DIGEST写真部

アスレティックス入団が決まった藤浪。高校時代はエンジェルスの大谷よりも評価が高かった剛腕が今季メジャーに挑戦する。写真:THE DIGEST写真部

 メジャーリーグ(MLB)のオークランド・アスレティックスは現地13日、ポスティングシステムで阪神タイガースの藤浪晋太郎と1年契約で合意したと発表した。年俸は325万ドル(約4億2000万円)で、昨シーズンの推定年俸4900万円から約10倍もアップする契約となった。

 猛虎の剛腕が、ついに海を渡る――。阪神で通算10シーズンを過ごし、57勝を挙げた右腕に米球界関係者は連日注目を注いでいる。米紙『Daily Bruin』のベンジャミン・ロイエ記者はアスレティックス新加入が決まった28歳に対し、「私はフジナミを非常に高く評価している。速球はいいが、制球力が問題にならないように、彼は相手をだませるような投球をしてほしい。彼のピッチングを見るために、アスレティックスの試合をかなり見ることになりそうだ」とツイッターに綴り、大きな期待を寄せている。

 米野球専門サイト『FanGraphs』も28歳の日本人右腕に熱視線を送る。同サイトによると「18歳のシンタロウ・フジナミが2012年NPBドラフト会議で阪神タイガースに1巡目で指名されたとき、多くの米球界の見識者は同じく1巡目で指名されたショウヘイ・オオタニより上だと考えていた。彼は高校時代には、夏の甲子園で連日の完封勝利でチームを優勝に導いている」と高校当時の潜在能力は、現在ロサンゼルス・エンジェルスで異彩を放ち続ける大谷より高い評価だったという。

 同サイトは続けて「タイガースでは、ルーキーイヤーに24試合に登板して10勝6敗、防御率2.75という素晴らしい成績を残し、2014年から16年にかけても防御率3.02、WAR16.2と、毎年WARで上位7位以内に入る優秀な投手」と評す。

 しかし、その後はコントロール難による無駄な四球に苦しんだ時期を指摘すると、「ブルペンや2軍で伸び悩んだ後、奪三振と四球の成績が顕著に向上し、今シーズン最後の2カ月は優れた数値を記録した。66.2イニングで防御率3.38となったが、以前よりストライクゾーンに投げる球数が増えたわけではないが、キャリアハイの追球率からも分かるように、無駄な球を投げる回数を大幅に減らした」と改善点を強調する。
 
 加えて、「フジナミはコントロールに波があり、しばしば悲惨な成績につながるが、速球は非常に優れている。平均96.3マイル、時には三桁に達することもあった。NPB先発投手でこれ以上の投球をしたのは、同じMLBルーキー、コウダイ・センガ(96.5マイル)と21歳の逸材、ロウキ・ササキ(98.9マイル)だけだ」と160キロ以上を投じる速球に注目している。

 その上で、藤浪の速球は一般的なフォーシームよりもはるかに横の切れが良く、一般的なシンカーよりも縦の運びに優れたハイブリッドな形状をしていると評し、メジャーの大物投手になれる可能性もあると記している。

「MLBではフジナミのような動きとリリースポイントを持つ速球投手はほとんどおらず、ネイサン・イオバルディ(テキサス・レンジャーズ)やアーロン・ノラ(フィラデルフィア・フィリーズ)のような剛腕投手になれるかもしれない。MLBの基準では完全にプラス評価だ」

 同サイトは、チームでは藤浪の制球力次第によるとした上で、先発とリリーフのどちらかで起用されるだろうと見ている。「フジナミは、その役割に関係なく制球が許す限り、大きな力を発揮することができ、アメリカでのデビュー戦を乗り越えるチャンスがある」と期待を込めて記事を締めている。

 はたして猛虎の剛腕はA'sの救世主となれるのか。藤浪は現地17日に、オークランドの球団事務所で入団記者会見を行なう。

構成●THE DIGEST編集部

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