「私はオオタニが史上最高の選手だということに少しも同意しないよ。なぜなら彼がそう言われるだけのことをしたとは思わないからだ」

　これはアメリカの名物コメンテーターであるマイク・フランセサ氏が、ワールド・ベースボール・クラシック決勝で異彩を放った大谷翔平（ロサンゼルス・エンジェルス）に向けて放ったコメントだ。

　かねてから歯に衣着せぬ物言いが一部で人気を博してきた同氏の天才に対する辛辣な言葉は、瞬く間に波紋を広げた。

　フランセサ氏の批評はこれだけにとどまらない。彼はかつて大谷と同じく二刀流で活躍し、「野球界の神」と称されるベーブ・ルース（元ニューヨーク・ヤンキース）との比較も展開。そして「全く馬鹿げている。申し訳ないがね。オオタニがどうのこうのと言う前に、ベーブ・ルースが何をしたかを調べてくれ」と断言し、こう論じるのだ。

「いったいどうしてオオタニがベーブ・ルースより優れていると思えるんだ？ 私に教えてくれ。そもそも比べることが無意味なんだ。多くの人々が愚かなことを言っている。本当に愚かなことだ」
  　これまでも大谷とルースは米メディアで比較されてきた。しかし、両者のプレーした時代があまりに違い過ぎるために「比べるのはナンセンスではないか」という声は強い。そうしたなかで往年の大スターを推したフランセサ氏の意見には、懐疑的な視線が向けられている。

　米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』は「ルースが野球という競技に与えたインパクトは否定できない」と前置きしたうえで、語気を強めて大谷を批判したフランセサ氏の意見に次のようにクギをさした。

「持論を述べることで人々の反応を扇動するのが仕事であるフランセサのような人であっても、今まさにピークを迎えているオオタニのような並外れた才能について完全に否定的なのは、奇妙な態度だ。（オオタニへの）否定的な意見もあるようだが、我々はこれから６か月も、毎晩のように彼の素晴らしい功績に感嘆することができるのだ」

　メジャーリーグのレギュラーシーズンの開幕は３月30日（現地）。大谷にはフランセサ氏の意見を吹き飛ばす活躍を期待したいところだ。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】「思っていた以上に凄い」ヌートバーが米メディアで明かした“コンビニ騒動”。驚きだった日本での経験「イッペイに『助けて』と」

【関連記事】「嫌悪感を抱く人もいる」大谷翔平からの奪三振を“自慢”した豪苦労人がSNSでの批判に反発「俺はメジャーの投手じゃない」

【関連記事】「驚くほど弱かった」侍ジャパンに敗戦でアメリカのファンは激怒！「怒りでテレビを破壊した」【WBC】