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プロ野球

最後のファンフェスは「すごくいい日、いい思い出に」――メジャー挑戦の山本由伸がオリックスファンに別れ【オリックスファンフェスタ】

どら増田

2023.11.27

最後のファンフェス、別れを告げる山本。オリックスでの7年間で培ったすべてを胸に海を渡る。写真:野口航志

最後のファンフェス、別れを告げる山本。オリックスでの7年間で培ったすべてを胸に海を渡る。写真:野口航志

 オリックスは11月26日、京セラドーム大阪で『Bsファンフェスタ2023』を開催した。選手のトークショーやサイン会、撮影会などさまざまな催しが行われ、大いに盛り上がった。

 すでにメジャー挑戦が決まっている山本由伸は、11月23日に行われた優勝パレードにこそ出席しなかったものの、この日は姿を見せた。事実上、最後のファンフェスになるとあって、サインに気軽に応じるなど最後のファンサービスを惜しみなく実践。スタンドからは数多くの声援が飛んでいた。

 エンディングでは「この度、ポスティングシステムで移籍することになりました、7年間応援してくださった皆様、 本当にありがとうございます。7年間応援してくださった皆様のおかげで、目標としていた舞台のスタートラインに立てそうなところまで来ました。これから練習をもっともっと積み重ねて、もっともっと目標を一つずつ叶えていけたらと思います。皆さんにこれからも応援していただけるように頑張っていきます。これからも応援よろしくお願いします。本当にありがとうございました」とファンに向けて最後の挨拶。チームメイトとともにグラウンドを一周すると、最後は日本ハムにFA移籍する山崎福也とともに、客席へ被っていた帽子を投げてからベンチ裏へと退場していった。
 
 イベント終了後、報道陣の前に現れた山本は「すごく良い日になりましたし、思い出になりました」と最後の一日を振り返った。山本が入団した時のオリックスは、どちらかといえば不人気球団。ファンフェスの集客にも苦戦していたが、この日は3万475人もの観衆が詰めかけた。山本もこれには、「シーズン中、良い順位にいたらすごくお客さんが入るなっていうのは徐々に感じていましたけど、ファンフェスタでこれだけ人が入ったことが今まであんまりなかったと思うので。すごく驚きました」と感じるものがあったようだ。

 いよいよ動き出したメジャー挑戦にも、「本当にいよいよだなという気持ちもあるような、あまり実感もないような感じですね。まあ、また新しいスタートラインといいますか、また違うステージにいくんだなと。ただ、まだこれからなので……という感じですね」とまだ実感があまり沸いていないよう。ずっと憧れていた舞台に立つことについては「すごく楽しみな気持ちもありますし、想像着かない部分もたくさんあります」と複雑な心境を口にしている。

 英語の勉強は「頑張ります」と笑いながらも、日常会話程度ならばこなせるようだ。契約するメジャー球団が決まるまでの間も練習は並行して行っていくとのことで、これまでと同じスケジュールに変わりはない。「オリックスの山本」としての仕事はまだ残っているが、ファンを前にしたイベント参加はこれが最後。オリックスファンの気持ちも背負って、世界一のピッチャーに向かって海を越えていく。

取材・文⚫︎どら増田

【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。
 

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