現地６月11日、本拠地で行われたマーリンズ戦でアンドリュー・マッカッチェン（パイレーツ）が今季６号本塁打を放った。約123メートルの左中間への一発は、マッカッチェンにとっては通算325本目であり、パイレーツ通算241号でもあった。

「241」という数字には大きな意味がある。殿堂入りも果たした球団史上最高のレジェンド、ロベルト・クレメンテを抜いて歴代３位に躍り出たからだ。1955年から18年間にわたってプレーし、４度の首位打者に輝いたクレメンテは、72年12月に発生したニカラグア地震の救援物資を運ぶため、自ら飛行機に乗り込んで事故死。慈善活動を精力的に行い、MVPにも匹敵すると言われるロベルト・クレメンテ賞は彼にちなんで名づけられた。
 
　マッカッチェン本人は「ホームランよりも勝利の方が嬉しいよ」と控えめなコメントだったが、選手時代はマッカッチェンとともにプレーしたこともあるドン・ケリー暫定監督は「ともにプレーして彼が優れた選手であることは分かっていた。だが、ロベルトを超えるとは本当に素晴らしい」と称賛した。

　マッカッチェンを慕う投手のベイリー・ファルターも「彼は素晴らしい選手で、素晴らしいキャリアを送っている。本当にこれ以上嬉しいことはないよ」と喜んでいた。

構成●SLUGGER編集部

【動画】クレメンテ越え！　マッカッチェンがパイレーツ通算241号