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「スターに頼る時代じゃない」ペイサーズのカーライルHCが語る現代の“勝てるチームの作り方” <DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.08.07

昨季のペイサーズはカーライルHCの下で、25年ぶりにファイナルまで勝ち進んだ。(C)Getty Images

昨季のペイサーズはカーライルHCの下で、25年ぶりにファイナルまで勝ち進んだ。(C)Getty Images

 2024-25シーズンのインディアナ・ペイサーズは、2000年以来25年ぶりにNBAファイナルに進出。頂上決戦ではリーグ最高勝率のオクラホマシティ・サンダーに3勝4敗で惜敗したものの、チームを率いるリック・カーライルHC(ヘッドコーチ)によれば、それ以降、街中で見知らぬ人々から称賛の言葉をかけられるようになったという。

 カーライルHC曰く、チームの成功のカギは、プレースタイルにあったと振り返る。昨季のペイサーズは、レギュラーシーズンではイースタン・カンファレンス4位の50勝32敗(勝率61.0%)にとどまったが、プレーオフでは選手層の厚さとハードワークを最大限に活かし、カンファレンス準決勝で第1シードのクリーブランド・キャバリアーズ、カンファレンス決勝では第3シードのニューヨーク・ニックスを撃破した。

 指揮官は『Basketball, She Wrote』のケイトリン・クーパーとのインタビューで、ペイサーズの強みについて次のように語った。

「うちは多くの選手を起用する。これは、より多くの選手をゲームに関わらせ、出場時間を適切に管理しながら、相手の足に負担をかけるための戦略なんだ。特別なことじゃないけど、これは我々の大きなアプローチのひとつだ。簡単じゃないし、とてもタフなスタイルだ。でも美しいスタイルなんだ」

 昨季のペイサーズで平均出場時間が最も長かったのはタイリース・ハリバートンの33.6分(リーグ35位)で、25分以上出場した選手が6人、15分以上出場した選手が12人もいた。そのなかで7人が2桁得点、その他の5人も平均5点以上をマークしている。
 
 選手のオフェンス負担を表すユーセージ%(USG%)が最も高かったのはパスカル・シアカムの24.2%でリーグ50位圏外、司令塔のハリバートンも21.6%だったように、1人の選手に依存することなく、バランスの取れたバスケットボールを展開していた。

 カーライルHCは言う。

「今のNBAは“全力でプレーするリーグ”になった。単にスター選手に頼る時代じゃない。ロスターの構築方法が変わってきている。2~3人の偉大な選手にすべてを託す“トップヘビー”なチームよりも、実力ある選手を数多く揃える方が重要になってきたんだ」

 15年のプロ入りからペイサーズ一筋でプレーし、今夏にミルウォーキー・バックスへ移籍したマイルズ・ターナーもプレーオフ中にこのように語っていた。

「これはリーグにとって新たな構想だと思う。スーパーチームは、以前ほど効果的ではなくなっている。僕がリーグ入りしてから、それがトレンドだったけどね。でも今のトレンドは、僕たちやOKC(サンダー)がやっているような形さ。若手たちが走り回ってディフェンスをしている」

 ハリバートンとシアカムを除けば、ペイサーズにスターと呼べる選手はいないが、アーロン・ネスミスやTJ・マッコネル、オビ・トッピンといった優秀なロールプレーヤーが複数在籍している。

 NBAで20年以上も指揮を執ってきたカーライルHCが言うように、現在のリーグは、“誰もが知るビッグネーム”よりも、“自らの役割を忠実にこなせる選手”の方が重宝される時代なのかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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