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NBA

「家族を失った人々に比べたら…」“美しき敗者”ミッチェルが試合後に語った強烈なメッセージ。オフにはジャズと最高額で契約延長か

ダンクシュート編集部

2020.09.03

敗れはしたものの、プレーオフで鮮烈な活躍を見せたミッチェル。ジャズはオフにMAX契約を提示すると噂されている。(C)Getty Images

敗れはしたものの、プレーオフで鮮烈な活躍を見せたミッチェル。ジャズはオフにMAX契約を提示すると噂されている。(C)Getty Images

 リーグ1位の平均36.3点――。今季のプレーオフ1回戦でユタ・ジャズのドノバン・ミッチェルが残した数字だ。激しい点取り合戦を演じたジャマール・マレー擁するデンバー・ナゲッツとの7戦に及ぶ激闘の末に惜しくも“バブル”を去ることとなったが、このシリーズでミッチェルは記録にも記憶にも残る鮮烈なインパクトを放った。

 初戦でプレーオフ歴代3位となる57得点を叩き出すと、第4戦で51得点、第6戦も44得点と3度の40点超えを記録。フィールドゴール成功率52.9%、3ポイント51.6%、フリースロー94.8%という圧巻の働きでエースの役割を全うした。最終戦は22得点、9ターンオーバーと力尽きたものの、試合後に語ったコメントは“Good Loser”と呼ぶにふさわしいものだった。

「被害者となった家族の痛みは想像することしかできない。自分が今感じている痛み…これはゲーム(バスケットボール)だ。警察の不当な暴力や差別によって家族を失った人々に比べたら何てことはない」
 
 現在、アメリカでは人種差別問題が表面化しており、特に警察の黒人に対する不当な取り締まりにはNBA選手たちも声を上げて抗議している。8月末にミルウォーキー・バックスが試合をボイコットした際には、ミッチェルも自身のSNSで賛同の意を示していた。そして、シリーズ敗退が決まった直後の会見でも、自らの悔しさを押し殺し、社会正義のためのメッセージを発信し続けたのだ。

 ポストシーズンで一段階上のプレーを見せたミッチェルに対し、チームも最大級の敬意で応えようとしている。現地メディアによると、ジャズは来季で4年のルーキー契約を終えるミッチェルと、オフに5年1億7000万ドル(約180億円)のMAX契約を結ぶ予定だという。スーパースターへの階段を駆け上がる23歳は来季、どんな進化を遂げて帰ってくるのか。早くも期待は膨らむばかりだ。

構成●ダンクシュート編集部
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