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NBA

「まだ終わっていない」シクサーズがシリーズ突破に王手も、エンビードは慢心なし「全員が仕事をこなさなければならない」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.05.10

自身初のカンファレンス決勝まであと1勝に迫ったエンビードだが、すぐに次戦に向けて気持ちを切り替えていた。(C)Getty Images

自身初のカンファレンス決勝まであと1勝に迫ったエンビードだが、すぐに次戦に向けて気持ちを切り替えていた。(C)Getty Images

 フィラデルフィア・セブンティシクサーズは現地時間5月9日(日本時間10日)に行なわれたイースタン・カンファレンス準決勝の第5戦でボストン・セルティックスを115-103で撃破。チームは昨季イースト王者に対して1勝2敗から2連勝を飾り、3勝2敗でシリーズ突破に王手をかけた。

 シクサーズは今季MVPのジョエル・エンビードが33得点、7リバウンド、タイリース・マキシーが6本の3ポイントを含む30得点(後半で21得点)、7リバウンド、ジェームズ・ハーデンが17得点、8リバウンド、10アシスト、トバイアス・ハリス16得点、11リバウンドをマーク。

 シクサーズは全員でボールに絡み、先発全員が7本以上を奪うなどリバウンド数で49-36とセルティックスを圧倒。アシストは20本と特段多い数字ではなかったが、ターンオーバーを9本に抑え、エンビード、マキシー、ハーデン、ハリスの4選手が16得点以上をあげるバランスの良さも光った。

 試合後、ドック・リバースHC(ヘッドコーチ)は次のように振り返った。

「(勝因は)ボールムーブメントだ。ボールがサイドからサイドへ回っていた。彼(マキシー)とトバイアス、我々にとっては彼らがバロメーターなんだ。あの2人が絡むことは、ボールがよく動いていることを意味する」
 
 この勝利でシクサーズはカンファレンス・ファイナル進出へあと1勝に迫った。チームは2018年から6年連続でプレーオフに出場しているが、過去5年のうち4度はカンファレンス準決勝で姿を消している。それだけに“今年こそは”という思いは強いだろう。

 シリーズの主導権を握っているシクサーズだが、相手のセルティックスは昨季のカンファレンス準決勝でミルウォーキー・バックス相手に2勝3敗と王手をかけられながら、第6戦でジェイソン・テイタムが46得点の大爆発で第7戦へ持ち込み、逆転でシリーズを制しており、油断は禁物だ。

 エンビードも相手の土壇場での強さを理解しているようで、「まだ終わっていない。俺たちはあと1勝しなきゃいけない。俺たち全員が自分たちの仕事をこなさなければいけないんだ」と気を引き締め、ハーデンは「あまり考えすぎてはいけない。俺たちはコートに立ち、自分たちのバスケットボールをしていくだけ」と語っていた。

 はたして、シクサーズはアレン・アイバーソンやディケンベ・ムトンボ、エリック・スノウらが所属していた2001年以来となるカンファレンス決勝へ駒を進めることができるのか。次戦のクローズアウトゲームは要注目の一戦となる。

文●秋山裕之(フリーライター)

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