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NBA

「2人がかりで封じられてもまったく気にしない」ロケッツ躍進の立役者、トルコ人センターのシェングンの強みとは?<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.11.16

3年目のシェングンはここまでチームトップの平均19.2点、8.4リバウンド。さらに自己最多&リーグ16位タイの6.0アシストと、多彩なプレーでロケッツを牽引している。(C)Getty Images

3年目のシェングンはここまでチームトップの平均19.2点、8.4リバウンド。さらに自己最多&リーグ16位タイの6.0アシストと、多彩なプレーでロケッツを牽引している。(C)Getty Images

 昨季22勝60敗(勝率26.8%)でウエスタン・カンファレンス14位タイと低迷したヒューストン・ロケッツが、ここまで6勝3敗(勝率66.3%)で4位と、好スタートを切っている。

 チームは開幕から3連敗とつまずいたが、11月に入ってからは負けなしの6連勝。12日には、昨季王者のデンバー・ナゲッツにも107-104で競り勝った。

 この好調さと比例して、活躍が目立つのがトルコ人センターのアルペレン・シェングンだ。ここまで平均19.4点、8.2リバウンドはどちらもチームトップ。アシストでもフレッド・ヴァンブリート次ぐ6.0本と、オールマイティーな働きを見せている。

 シェングンは、ガードのジェイレン・グリーン(2位/ロケッツ)と同じ、2021年のドラフトでNBA入りし(16位/オクラホマシティ・サンダー)、今季がキャリア3年目。

 2人と同じ2002年生まれにはチェット・ホルムグレン(サンダー)やブランドン・ミラー(シャーロット・ホーネッツ)、パオロ・バンケロ(オーランド・マジック)らがいるが、今季が1、2年目の彼らに対してシェングンは、すでにレギュラーシーズン156試合出場と、場数を踏んでいる。

 彼のパフォーマンスで特に進化が見られるのは、パスワークだ。

 単純にアシスト数を見ても、ルーキーイヤーから2.6、昨季は3.9、そして今季は前述のように6.0と目覚ましく向上。25点差で快勝した11月6日のサクラメント・キングス戦では、キャリアハイの12本を供給し、ランキングでリーグトップ20(16位タイ)に食い込んでいる。

 ナゲッツ戦では、同じ欧州の大先輩ニコラ・ヨキッチと攻防戦を繰り広げ、第1クォーター序盤には、ヨキッチのシュートをシェングンが叩き落とすシーンも見られた。
 
 試合後、今季4度目のトリプルダブル(36得点、21リバウンド、11アシスト)を達成したヨキッチは、シェングンについて「彼から繰り出されるプレーが増えるのはすごく良いと思う」とコメント。

「それがチーム全体にプラスとなっている気がするよ。彼は自己中心的じゃなく、チームのためにプレーしたいタイプで、パスを出すのを好む。そして彼がボールを持った時、チーム全体に動きが生まれている」

 もっとも、リーグMVPにも輝いたトルコ時代から、シェングンはパスセンスを高く評価されたビッグマンだった。

「2人がかりで封じられてもまったく気にしない。パスを出せばいいだけだからね。そもそも僕はボールをシェアするのが大好きなんだ」と語る21歳は決定力も備えるが、チーム全体でボールを回してチャンスを作り出すプレーを楽しんでいる。

 就任1年目のイーメイ・ユドカ・ヘッドコーチも、「彼を違った形で使うことを試みている。ゲームメークがものすごく上手いからね」と高く評価しており、今後も“ポイントセンター”として、チームを牽引する役割を担うことになりそうだ。

 前述のアシストランキングでは彼より上位に、ヨキッチ(8.4)、ドマンタス・サボニス(7.3/サクラメント・キングス)と2人の熟練ビッグマンがいる。

 ナゲッツ戦後、欧州では早速「ヨキッチの系譜を次ぐ」という描写がみられたが、シェングンも、ゲームメークに長けたビッグマンへと成長中だ。

 進化を続けているシェングンの勢いに乗って、ロケッツも4シーズンぶりのプレーオフ進出に向けて邁進する。

文●小川由紀子

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