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NBA

「PGが絶滅しかけている」レディックが正統派司令塔の減少を嘆く「今は主なボールハンドラーが大柄なウイング陣だ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.01.17

ポールのようなパスを第一に考える正統派PGは、現代のリーグで絶滅の危機に瀕している。(C)Getty Images

ポールのようなパスを第一に考える正統派PGは、現代のリーグで絶滅の危機に瀕している。(C)Getty Images

 NBAでは2010年代からシュート力と機動力を備えた5選手を同時起用する“スモールボール”が展開され、“ポジションレス・バスケットボール”という言葉が浸透した。

 今ではパワーフォワードはもちろん、センターでもスペーシングを確保するため3ポイントを決める能力が求められており、インサイドを主戦場とするビッグマンは希少となっている。

 そうしたなか、NBAで15シーズンをプレーしたJJ・レディック(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)は、1月16日(日本時間17日)に公開されたポッドキャスト番組『The Old Man & the Three』で、ポイントガード(PG)にも異変が起きていると話していた。

「(伝統的な)PGが絶滅しかけている。今は主なボールハンドラーが大柄なウイング陣だ。『ボール運びができる小柄なガードが必要だ』というのは、もう古い概念となってしまった」

 レディックから見ると、現代で伝統的なPGはクリッパーズ時代のチームメイトで、現在ゴールデンステイト・ウォリアーズでプレーするクリス・ポールのみだという。

 16日時点で、アシストランキングの首位はインディアナ・ペイサーズのタイリース・ハリバートン(12.5本)、2位以下はアトランタ・ホークスのトレイ・ヤング(10.9本)、ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチ(9.1本)、デンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチ(9.1本)となっている。
 
 だがハリバートン(196㎝)とドンチッチ(201㎝)はフォワード並みのサイズを持ち、ヤング(185㎝)はパサーというよりスコアラー色が強い。ヨキッチに至っては211㎝・129㎏のセンターと、従来のポイントガード像には映っていないようだ。

 ほかにもロサンゼルス・レイカーズではレブロン・ジェームズ(206㎝)、ボストン・セルティックスではジェイソン・テイタム(203㎝)とジェイレン・ブラウン(198㎝)、オーランド・マジックではパオロ・バンケロとフランツ・ヴァグナー(ともに208㎝)が主にゲームメーク役を担っている。

 現代にはポールのほか、マイク・コンリー(ミネソタ・ティンバーウルブズ)やタイアス・ジョーンズ(ワシントン・ウィザーズ)、TJ・マッコネル(ペイサーズ)が正統派PGに分類されるが、ハンドリングスキルとプレーメーキング能力に長けたウイング陣の増加によって、彼らのような職人肌のガードが減少しているのは事実だろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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