バスケットボールの世界最高峰NBAにおいて、個人として最も栄誉ある賞はシーズンMVP、チームとしては言うまでもなく優勝、すなわちNBAファイナル制覇だ。つまりMVPトロフィーを手にし、同時にチームも頂点に導くことこそが、究極の成功と言えるだろう。

　MVPが制定された1956年から昨季までの69年間で、MVPを受賞した選手は計36人。そのうち受賞シーズンにファイナル進出を果たした選手は18人（延べ32回）。さらにファイナルも制して頂点に立った選手は14人（延べ23回）存在する。

　MVP受賞年にファイナルに進出した最後の選手は、2015－16シーズンのステフィン・カリー（ゴールデンステイト・ウォリアーズ）で、最後にMVPと優勝を同時に達成したのもカリー（前年の2014－15シーズン）となっている。

　今季のMVPに輝いたのは、キャリア７年目で初の選出となったシェイ・ギルジャス・アレキサンダー。そして彼が率いるオクラホマシティ・サンダーは現地６月５日から始まるファイナル出場を決めており、下記のメンバーに続いて史上15人目の“MVP＆優勝達成者”になる可能性を秘めている。
  ■シーズンMVP受賞年に優勝を達成した選手
※カッコ内はMVP受賞＆優勝年、★＝ファイナルMVP受賞（1969年より制定）

ボブ・クージー（1957）
ビル・ラッセル（1961、1962、1963、1965）
ウィルト・チェンバレン（1967）
ウィリス・リード（1970★）
カリーム・アブドゥル・ジャバー（1971★、1980）
モーゼス・マローン（1983★）
ラリー・バード（1984★、1986★）
マジック・ジョンソン（1987★）
マイケル・ジョーダン（1991★、1992★、1996★、1998★）
アキーム・オラジュワン（1994★）
シャキール・オニール（2000★）
ティム・ダンカン（2003★）
レブロン・ジェームズ（2012★、2013★）
ステフィン・カリー（2015）

　シーズンMVPと優勝を同時に成し遂げた上記14人のうち、ファイナルMVPも手にしたのは10人。７人が各１回、バードとレブロンが各２回達成しているなか、ダントツの４回を誇るジョーダンはやはり別格だ。６回出場したファイナルですべて優勝（３連覇２回）、すべてファイナルMVP受賞という経歴こそ、彼が“GOAT（史上最高）”と呼ばれる所以だろう。

　一方で、MVPの栄誉を手にしながらも、チームとしての栄冠を手にできなかった選手もいる。