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「プレーを明確に予想して、その瞬間を待ち構えるんだ」マッグレディが明かす“コビー対策”のリアル<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.06.18

マッグレディ(左)が盟友コビー(右)との対戦を振り返った。(C)Getty Images

マッグレディ(左)が盟友コビー(右)との対戦を振り返った。(C)Getty Images

 殿堂入り選手のトレイシー・マッグレディ(元オーランド・マジックほか)とコビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)は、高校から直接NBA入りを果たした。ともにキャリア初期は苦戦を強いられたものの、その後リーグ有数のスター選手へと成長を遂げた。

 コビーは1978年生まれ、マッグレディは79年生まれ。同世代の2人はコート上ではライバルだったが、オフシーズンにはともにトレーニングを行なうなど、互いに深い敬意を抱いていた。

 マッグレディは6月中旬にポッドキャスト番組『The Young Man and The Three』出演。コビーと対戦時に、ワークアウトを通じて得た情報をどのように活用していたかを明かしている。

 コビーは、20年間のキャリアで歴代4位の通算3万3643得点を記録。2006年1月のトロント・ラプターズ戦では史上2位となる81得点を叩き出した名スコアラーだった。さらに、卓越したメンタルの強さ、完璧を追求するストイックな姿勢、相手に戦意を喪失させるほどの“キラーインスティンクト”(とどめを刺す本能)を持つことで知られていた。

 マッグレディがコビーと対峙する際には頻繁に映像を見て、彼の癖や傾向を徹底的に分析し、対抗策を練っていた。

「ああいうダイナミックな選手と戦う時は、ゲームプランが必要なんだ。『これは封じる、これは絶対にやらせない』と決めて構えておく。『お前、これをやってくるんだろ? でも俺はそこにいるぞ』ってね」
 
 マッグレディ曰く、優れたスコアラーたちは、得意なプレーに対する“次の一手”を複数用意しており、どんなディフェンスにも対応できるという。

 コビーも例外ではなく、彼の武器であるフェイダウェイは高い精度を誇ったが、同時にその動きを封じられても、“プランB”や“プランC”といった代替案を多く持っていた。マッグレディは、その点が特にディフェンダーにとって厄介だったと振り返る。

「もちろん、別の動きや次の一手で来るかもしれない。でも俺は、相手のプレーを明確に予想して、それが来る瞬間を待ち構えるんだ。俺たちは一緒にワークアウトしていたから、彼のフットワークも全部わかってる。だから、特定の動きにはしっかり備えてるんだ」

 もっとも、マッグレディは特徴や癖を理解していても、コビーのようなスーパースターを完全に止めることは難しいと語った。

「(すべて)止めるのは不可能だよ。彼は1試合に30本もシュートを打ってくる。そうなれば、ある程度は決められるさ。でも重要なのは、そういう相手と戦う時にどんな心構えで臨むか、そしてどんなプランを持ってるかなんだ」

 マッグレディとコビーはNBAで通算21回対戦し、通算成績はコビーの14勝7敗。コビーは平均26.9点、5.4リバウンド、5.3アシスト、1.4スティールをあげ、07年3月の対戦では53得点の超絶パフォーマンスを披露した。

 すべてを知った上で、それでも止められない。それがコビー・ブライアントという男だった。

構成●ダンクシュート編集部

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