熱烈な“虎党”の期待には応えられなかった。それでも、中堅助っ人にとって日本での2年間は実り多きものだったようだ。
シーズンが終了した昨年12月、阪神はカイル・ケラーを除く助っ人4名との契約満了を発表した。今季から始まる岡田彰布監督による新体制作りの第一歩とも言える発表となったわけだが、そのなかには実力を発揮しきれずに甲子園を去る者もいた。ラウル・アルカンタラはそのうちの一人だろう。
2020年に韓国のKBOリーグで20勝(2敗)を挙げ、198.2回を投げて防御率2.54、WHIP1.03をマークしたアルカンタラ。世界的に見ても「超」が付くほどの打高投低にある同リーグでの刻んだハイアベレージは、鵜の目鷹の目のNPBスカウトからも注目され、同年のオフに阪神と2年4億2000万円(推定)の大型契約を締結した。
鳴り物入りで猛虎の一員となったアルカンタラだったが、日本球界では本領発揮には至らなかった。シーズン終盤に中継ぎに配置転換された1年目こそ勝ちパターンリレーの一角を任されるなど、まずまずの活躍を見せたが、勝負の2年目は失速。とりわけ夏場以降は疲労の影響からかストレートを痛打されるシーンが散見。結局、NPB通算防御率3.96という成績で阪神を去った。
いわゆる「ダメ助っ人」のレッテルを貼られてしまった感が否めないアルカンタラ。しかし、彼は日本で「多くを学んだ」と振り返っている。現地2月11日に韓国メディア『スポーツ朝鮮』の取材に応じた31歳は「僕は日本で、とても洗練され、技術力のある打者にたくさん出会って勉強させてもらった」と語った。
「優れた技術を持つ打者に対して、どの球種を使えば、効果的に打ち取れるかを僕は学んだ。そのうえでは日本人コーチからのアドバイスもとても役に立った。とくに昨年は自信を持ってフォークボールを使っていた。とくに握りは変えていないんだけどね。コントロールは良くなったと思う」
そんなアルカンタラは、阪神退団からほどなくして古巣・斗山ベアーズに復帰した。元巨人のスラッガーで、韓国球界のレジェンドでもあるイ・スンヨプ新監督が「私は日本にいる知人から彼の状態が良いことは聞いていた。それに日本は韓国よりも上だ」と直々に口説いての契約だったという。
日本での2年間で得たものをアルカンタラはどう活かすのか。元20勝投手の挑戦は小さくない話題となりそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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2020年に韓国のKBOリーグで20勝(2敗)を挙げ、198.2回を投げて防御率2.54、WHIP1.03をマークしたアルカンタラ。世界的に見ても「超」が付くほどの打高投低にある同リーグでの刻んだハイアベレージは、鵜の目鷹の目のNPBスカウトからも注目され、同年のオフに阪神と2年4億2000万円(推定)の大型契約を締結した。
鳴り物入りで猛虎の一員となったアルカンタラだったが、日本球界では本領発揮には至らなかった。シーズン終盤に中継ぎに配置転換された1年目こそ勝ちパターンリレーの一角を任されるなど、まずまずの活躍を見せたが、勝負の2年目は失速。とりわけ夏場以降は疲労の影響からかストレートを痛打されるシーンが散見。結局、NPB通算防御率3.96という成績で阪神を去った。
いわゆる「ダメ助っ人」のレッテルを貼られてしまった感が否めないアルカンタラ。しかし、彼は日本で「多くを学んだ」と振り返っている。現地2月11日に韓国メディア『スポーツ朝鮮』の取材に応じた31歳は「僕は日本で、とても洗練され、技術力のある打者にたくさん出会って勉強させてもらった」と語った。
「優れた技術を持つ打者に対して、どの球種を使えば、効果的に打ち取れるかを僕は学んだ。そのうえでは日本人コーチからのアドバイスもとても役に立った。とくに昨年は自信を持ってフォークボールを使っていた。とくに握りは変えていないんだけどね。コントロールは良くなったと思う」
そんなアルカンタラは、阪神退団からほどなくして古巣・斗山ベアーズに復帰した。元巨人のスラッガーで、韓国球界のレジェンドでもあるイ・スンヨプ新監督が「私は日本にいる知人から彼の状態が良いことは聞いていた。それに日本は韓国よりも上だ」と直々に口説いての契約だったという。
日本での2年間で得たものをアルカンタラはどう活かすのか。元20勝投手の挑戦は小さくない話題となりそうだ。
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