高校野球

広陵が「暴力事案」でSNS拡散の内容を否定 高野連は出場判断に“変更なし”、選手らへの誹謗中傷・差別的言動を懸念

THE DIGEST編集部

2025.08.07

開会式で入場行進する広陵ナイン。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 日本高野連は8月6日、硬式野球部内で暴力事案が発生した広陵(広島)について、主催者として第107回全国高校野球選手権大会(甲子園)出場の判断に変更がないことを明らかにした。この決定は、学校側からの報告と対応を踏まえたものとみられる。
 
 高野連は、同校で発生した暴力事案について今年3月に審議を行ない、日本学生野球憲章に基づく「注意・厳重注意および処分申請等に関する規則」により、同野球部に対して厳重注意の措置を決定した。

 この事案については、SNS上で拡散されている内容と、広陵が高野連に報告した内容に違いがあるとされていたが、学校側は6日、これまで報告していた内容以外に新たな事実関係はないという表明を行なった。

 また、大会本部は同事案について、広陵の選手・関係者に対する誹謗中傷や差別的な言動がSNS上で拡散されていると指摘。「名誉や尊厳、人権を傷つけるものであり、決して看過できない」として、誹謗中傷・差別的言動を慎むことをお願いしている。

■広陵高が把握しているとする「事案の概要」は以下の通り。

(1)    事案発生日時・場所…令和7年1月22日(火)広陵高等学校寄宿舎(清風寮)
(2)関係者
被害生徒A
加害生徒B、C、D、E以上4名
(3)事実
 B~Eのそれぞれが個別に被害生徒の部屋を訪れ、Bが胸を叩く、Cが頬を叩くという暴行をした。また、Dが腹部を押す行為をしたほか、Eが廊下で被害生徒の胸ぐらをつかむ行為をした。

 さらに保護者から、不適切な行為をした生徒としてF、Gの名前が挙がったため聴取したが、不適切な行為は確認できなかった。後日、加害生徒4名が被害生徒に謝罪した。なお、被害生徒は3月末で転校した。

 本校は事案の把握当日に広島県高野連に一報した。また、令和7年2月14日、本校から広島県高野連に対して今回の事案について報告書を提出した。

 被害生徒の保護者から「学校が確認した事実関係に誤りがある」との指摘があり、改めて部員に事実確認をしたが、新しい事実はなかった。

構成●THE DIGEST編集部
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