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MLB

殿堂入りの名投手ロイ・ハラデイの34がフィリーズの永久欠番に。複数球団での永久欠番は史上12人目

宇根夏樹

2020.02.11

フィリーズでの背番号34が永久欠番となるハラデイ。ブルージェイズでの背番号32もすでに欠番となっていて、複数球団での永久欠番は史上12人目だ。(C)Getty Images

フィリーズでの背番号34が永久欠番となるハラデイ。ブルージェイズでの背番号32もすでに欠番となっていて、複数球団での永久欠番は史上12人目だ。(C)Getty Images

 フィリーズは、5月29日にロイ・ハラデイの背番号34を永久欠番とする。ブルージェイズとフィリーズで投げたハラデイは、最後の4年(2010~13年)をフィリーズで過ごし、その1年目の5月29日にマーリンズの本拠地で完全試合を達成した。永久欠番のセレモニーは、ちょうどその10年後に当たる。ちなみに、この年は7年ぶり2度目のサイ・ヤング賞を受賞。初めてポストシーズンのマウンドに上がった地区シリーズ第1戦では、ホームでノーヒッターを成し遂げた。

 セレモニーには、昨年の殿堂入りと同じく、未亡人と2人の息子が出席するはずだ。自身が操縦する飛行機の事故により、ハラデイは17年11月に他界した。スペシャルゲストも予定されている。完全試合とノーヒッターの両方でバッテリーを組んだカルロス・ルイーズも、その一人ではないだろうか。

 ブルージェイズは、ハラデイの背番号32をすでに欠番としている。事故の翌年、18年の開幕戦にセレモニーを行った。複数の球団で永久欠番は、ハラデイが12人目。そのうちの2人は3球団だ。ノーラン・ライアンは、エンジェルスで30、アストロズとレンジャーズで34が欠番。フランク・ロビンソンは、レッズ、オリオールズ、インディアンスで、いずれも20が欠番とされている。また、2球団で永久欠番の10人中5人は、それぞれの番号が違う。カールトン・フィスクは27(レッドソックス)と72(ホワイトソックス)、レジー・ジャクソンは9(アスレティックス)と44(ヤンキース)、スパーキー・アンダーソンは10(レッズ)と11(タイガース)、ウェイド・ボッグスは26(レッドソックス)と12(レイズ)。5人目はハラデイだ。
 
 ハラデイの場合、ブルージェイズで背負っていた32は、フィリーズではスティーブ・カールトンの永久欠番だった。一方、背番号34はクリフ・リーが使用していた。ハラデイを獲得したフィリーズは、同じ日にリーをマリナーズへ放出した。その5ヵ月前にリーをインディアンスから獲得した時も、フィリーズの本命はリーではなく、ハラデイだったようだ。10年のオフにFAとなったリーは、フィリーズに入団してハラデイとチームメイトになり、ひとつ小さい33を背負った。

 2球団で永久欠番の他5人は、以下のとおりだ。

ケーシー・ステンゲル    37    ヤンキース、メッツ
ハンク・アーロン    44    ブレーブス、ブルワーズ
ロッド・カルー    29    ツインズ、エンジェルス
ローリー・フィンガース    34    アスレティックス、ブルワーズ
グレッグ・マダックス    31    カブス、ブレーブス

 なお、ロッキーズも、4月19日にラリー・ウォーカーの背番号33を永久欠番とする。ウォーカーは3球団でプレーし、エクスポズ(現ナショナルズ)とカーディナルスでも33を背負ったが、残念ながらこの2球団がウォーカーの背番号を欠番とすることはなさそうだ。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
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