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高校野球

3点差でもセーフティリードにあらず。相次ぐ逆転劇で感じた甲子園の怖さ<SLUGGER>

氏原英明

2025.08.23

一時は3点リードされながらもひっくり返した沖縄尚学。敗れた山梨学院は野球の怖さを感じたことだろう。写真:THE DIGEST写真部

一時は3点リードされながらもひっくり返した沖縄尚学。敗れた山梨学院は野球の怖さを感じたことだろう。写真:THE DIGEST写真部

 それはエアーポケットに入ったような3失点だった。

 山梨学院・吉田洸二監督は唇を噛む。

「3点差にした後の1点が取れていれば、というところでしょうね」

 準決勝の沖縄尚学戦のことだ。1回表に1点を先制。序盤はつば競り合いが続いたが、中盤以降に勝ち越し点を奪うと6回表に3点をリード。守備に定評のある沖縄尚学の守備陣のミスをついての3点リードはアドバンテージに見えた。

 しかしその裏、その3点はあっという間に取り返される。先頭の宜野座恵夢に左翼二塁打を浴びると、比嘉大登、安谷屋の連打で2失点。阿波根豊の送りバントにミスが重なって同点に追い付かれたのだった。

 百戦錬磨の吉田監督は嫌な予感を持って6回裏の守備を迎えていたというが、それがまさに的中。7回には決勝点を許し、山梨学院はそのまま敗れた。

 3点リードはセーフティリード、野球においてはそう思われがちなはずだが、野球とは分からないものである。
 
 準々決勝の横浜ー県立岐阜商戦でも似たようなことがあった。

 県岐商が5回までに4点を先攻。6回に守備のミスから横浜から3点を奪って反撃。8回に同点となり延長にまでもつれたゲームだ。タイブレークによる1点を争う試合へと向かった。
 
 10回表、先に横浜が攻める。無死一、二塁からのスタートで先頭の為永皓は送りバントをピッチャー前に転がした。しかし、これを県岐商の投手・柴田蒼亮が三塁へ悪送球、1点が入った。さらに二、三塁となると、3番の阿部葉太がセンター前へ弾き返す2点適時打。3点をリードしたのだった。

 その後も攻めた横浜だったが、4番の奥村頼人が送りバントを失敗。2死二塁の好機までこぎ着けたが、6番の池田聖摩は凡退し、3点リードのまま10回裏の攻防へと向かった。

 タイブレークにより、2人の走者が自動的にいるというのはある。とはいえ、3点差の中での1イニングは追いかける側にとってはメンタル的にもかなり厳しいはずだ。バントで走者を送って、タイムリーを打っても2点止まり。自力で切り開かないといけない展開だからだ。

 ところが、県岐商はそこからあっという間に同点に追いついた。先頭の宮川鉄平が中前安打で満塁にチャンスを広げると、続く6番・小鎗稜也がセンターオーバーの適時二塁打を放ち、3人の走者が生還したのだった。たった3球以内での出来事だった。

 試合は延長11回までもつれ、最後は県岐商の4番・坂口路歩が左翼適時打放ってサヨナラ勝ちした。
 
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