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吉田が逆転タイムリー、クローシェイはプレーオフ初先発で2ケタ奪三振……ワイルドカード・シリーズ最大の注目カード第1戦はレッドソックスがヤンキースを下す

SLUGGER編集部

2025.10.01

敵地でプレーオフ初先発という大役ながら、クローシェイは8回途中4安打1失点11奪三振。ワイルドカード・シリーズ先勝に大きな役割を果たした。(C)getty Images

 現地9月30日、MLBポストシーズンが開幕。ワイルドカード・シリーズではヤンキースとレッドソックスが激突。3対1でレッドソックスが勝利した。

 プレーオフでは4年ぶり、通算6度目となるMLB屈指のライバル球団の対決は、マックス・フリードとギャレット・クローシェイの左腕エース同士の投げ合いで始まった。やや立ち上がりに苦しんだのはクローシェイ。いずれも投球が真ん中付近に入り、初回は先頭のポール・ゴールドシュミットとアーロン・ジャッジに強烈なプルヒッティングでレフト方向への安打を浴びる。

 このピンチは抑えたものの、2回には高め中心の攻めを逆手に取られ、アンソニー・ボルピーにシンカーを捉えられてソロ本塁打を浴びてしまう。ボルピーはシーズン中もシンカーを得意としていただけに、やや不用意な一球だったかもしれない。

 一方、フリードは持ち前の安定感を存分に発揮し、レッドソックス打線を抑え込む。1巡目はややカッターが多めながら、7つの球種を変幻自在に駆使して的を絞らせない。2巡目以降はカーブを中心に据えて、7回1死までに散発4安打3四球、6奪三振。二塁を踏ませたのは2回だけというピッチングでマウンドを降りた。
 

 クローシェイも3回以降は4シーム中心の力強いピッチングで立ち直り、5回には3者連続三振を奪うなど好投。伝統のライバル対決の初戦にふさわしく、1対0のまま緊迫した投手戦が続く。

 だが、フリードがマウンドを降りてルーク・ウィーバーに代わった直後、ゲームが大きく動く。セダン・ラファエラが10球も粘った末に四球を選び、続くニック・ソガードも、ウィーバーが3球続けて投じたチェンジアップを叩いて1死二、三塁の好機。ここで代打に出てきたのが吉田正尚で、プレーオフ初打席に最高の仕事をする。高めの初球、95.9マイルの4シームを叩いて右中間に運び、一挙に走者2人が還って逆転に成功した。

 ウィーバーは結局1死も取れずに降板し、その後をフェルナンド・クルーズが抑えて7回表が終了。だが、クローシェイはその裏も続投し、わずか6球で3人をぴしゃりと抑えてヤンキースに反撃を許さない。ボルピー被弾の後の打者16人は完全に抑え、球数はこの時点でちょうど100球だったが、クローシェイは8回も続投。117球目にして今季最速の100.2マイルを計測し、オースティン・ウェルズからこの日11個目の三振。プレーオフ初先発にして2ケタ奪三振という圧巻のピッチングを見せる。

 さらにレッドソックスは、9回表にアレックス・ブレグマンのタイムリーで3点目を挙げる。だが、クローシェイの後を受けて8回2死から登板していたアロルディス・チャップマンが、9回に先頭のゴールドシュミット、ジャッジ、コディ・ベリンジャーと3連打で満塁のピンチを招く。

 ヤンキー・スタジアムのファンが総立ちとなる中、チャップマンもギアを上げて100マイルを連発。まずジャンカルロ・スタントンを三振に打ち取ると、ジャズ・チゾムJr.もライトフライ(右翼手ウィラー・アブレイユの強肩を鑑みて三塁走者ゴールドシュミットはスタートを切らず)。最後はトレント・グリシャムを101マイルで三振に打ち取って、まずはレッドソックスが先勝した。

構成●SLUGGER編集部

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