いよいよ10月23日にドラフト会議が行われる。各チームの育成状況や補強ポイントを踏まえた上で、「誰を指名するか」ではなく「誰を指名するべきか」という観点からドラフトを展望する。3年連続最下位から4位に浮上した中日。Aクラス入りへ向け、ドラフトにはどのような戦略で臨むべきだろうか。
【基本方針】
即戦力重視
今季は井上一樹新監督の下、3年連続最下位から脱出。最終的には4位に終わったものの、9月までCS争いに顔を出していた。
松山晋也が抑え転向1年目で46セーブを挙げ、上林誠知が17本塁打&27盗塁で復活を遂げるなど「嬉しい誤算」もあった一方で、若きエース・高橋宏斗が年間を通して苦しみ、攻守のキーマン・福永裕基が故障渦に見舞われた。「4番・三塁」で開幕した石川昂弥も期待に応えられなかった。CS争いからの脱落は、投打ともに「ガス欠」の結果。疲れからか、年間を通して好パフォーマンスを出した選手は数えるほど。代わりの選手との力量差もまだまだある。
そこで今回のドラフトはズバリ、選手層を厚くするための「即戦力ドラフト」を展開したい。特に祖父江大輔と岡田俊哉の引退などで層が薄くなった投手陣を多く指名するのではないか。野手陣はスラッガーや岡林勇希より年下の外野手を入れていきたい。
【補強ポイント
●「ホームランウイング」初年度にふさわしいスラッガー
本拠地バンテリンドームは来季から「ホームランウイング」を導入する。外野フェンスが最長で6m前にせり出し、高さも1m以上低くなる。慢性的な長打力不足の解消を助けてくれるはずだ。ドラフトでも「ホームランウイング」を軽々と超える一発を打てそうな人材を獲得していきたい。
●1年目から一軍で投げられる先発投手
上述の通り、今季は高橋宏が本来の力を発揮できず。35歳オーバーの大野雄大&松葉貴大がローテを支えた。若手には金丸夢斗ら楽しみな逸材が複数いるものの、まだ心許ないのが現状。そこで、現時点での完成度が高いスターターを獲りに行くのではないか。 ●1年目から一軍に割って入れる救援投手
松山はライデル・マルティネス流出の穴を必死に埋めた。ただ、松山が夏場に1ヵ月離脱した際はブルペン陣が不安定になり、8月下旬以降は橋本侑樹や藤嶋健人らが相次いで息切れ。白星を落とす試合が増えていった。一軍レベルの中継ぎをこなせる投手が一人でも多く欲しい。
【理想の指名】
1位:立石正広(内野手/創価大)
4位:増居翔太(投手/トヨタ自動車)
5位:九谷瑠(投手/王子)
立石はいわば「右の佐藤輝明(阪神)」。身体能力の高さでボールを飛ばすタイプのスラッガーだ。ポジションは三塁がメインで二塁もこなせる。今季の中日は三塁を固定できなかったので、起用の選択肢を増やしていきたい。すでに広島が指名を公言しているが、競合覚悟で獲得を目指そう。
また、中位~下位で社会人の実力派投手を複数獲得したい。増居は投球術が光るサウスポーで、先発としての活躍が見込める。九谷は今年の都市対抗で胴上げ投手になった右腕。それこそ、引退した祖父江大輔のようなポジションでチームに貢献する姿が眼に浮かぶ。
文●加賀一輝
【著者プロフィール】
かが・いっき。1988年3月6日、愛知県生まれ。成蹊大学卒業後、一般企業を経て独立。ライティング、MCなど幅広く活動する。2016年~23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』などへの寄稿を経験。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。
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【基本方針】
即戦力重視
今季は井上一樹新監督の下、3年連続最下位から脱出。最終的には4位に終わったものの、9月までCS争いに顔を出していた。
松山晋也が抑え転向1年目で46セーブを挙げ、上林誠知が17本塁打&27盗塁で復活を遂げるなど「嬉しい誤算」もあった一方で、若きエース・高橋宏斗が年間を通して苦しみ、攻守のキーマン・福永裕基が故障渦に見舞われた。「4番・三塁」で開幕した石川昂弥も期待に応えられなかった。CS争いからの脱落は、投打ともに「ガス欠」の結果。疲れからか、年間を通して好パフォーマンスを出した選手は数えるほど。代わりの選手との力量差もまだまだある。
そこで今回のドラフトはズバリ、選手層を厚くするための「即戦力ドラフト」を展開したい。特に祖父江大輔と岡田俊哉の引退などで層が薄くなった投手陣を多く指名するのではないか。野手陣はスラッガーや岡林勇希より年下の外野手を入れていきたい。
【補強ポイント
●「ホームランウイング」初年度にふさわしいスラッガー
本拠地バンテリンドームは来季から「ホームランウイング」を導入する。外野フェンスが最長で6m前にせり出し、高さも1m以上低くなる。慢性的な長打力不足の解消を助けてくれるはずだ。ドラフトでも「ホームランウイング」を軽々と超える一発を打てそうな人材を獲得していきたい。
●1年目から一軍で投げられる先発投手
上述の通り、今季は高橋宏が本来の力を発揮できず。35歳オーバーの大野雄大&松葉貴大がローテを支えた。若手には金丸夢斗ら楽しみな逸材が複数いるものの、まだ心許ないのが現状。そこで、現時点での完成度が高いスターターを獲りに行くのではないか。 ●1年目から一軍に割って入れる救援投手
松山はライデル・マルティネス流出の穴を必死に埋めた。ただ、松山が夏場に1ヵ月離脱した際はブルペン陣が不安定になり、8月下旬以降は橋本侑樹や藤嶋健人らが相次いで息切れ。白星を落とす試合が増えていった。一軍レベルの中継ぎをこなせる投手が一人でも多く欲しい。
【理想の指名】
1位:立石正広(内野手/創価大)
4位:増居翔太(投手/トヨタ自動車)
5位:九谷瑠(投手/王子)
立石はいわば「右の佐藤輝明(阪神)」。身体能力の高さでボールを飛ばすタイプのスラッガーだ。ポジションは三塁がメインで二塁もこなせる。今季の中日は三塁を固定できなかったので、起用の選択肢を増やしていきたい。すでに広島が指名を公言しているが、競合覚悟で獲得を目指そう。
また、中位~下位で社会人の実力派投手を複数獲得したい。増居は投球術が光るサウスポーで、先発としての活躍が見込める。九谷は今年の都市対抗で胴上げ投手になった右腕。それこそ、引退した祖父江大輔のようなポジションでチームに貢献する姿が眼に浮かぶ。
文●加賀一輝
【著者プロフィール】
かが・いっき。1988年3月6日、愛知県生まれ。成蹊大学卒業後、一般企業を経て独立。ライティング、MCなど幅広く活動する。2016年~23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』などへの寄稿を経験。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。
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