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プロ野球

琉球ブルーオーシャンズがロッテ・巨人ファームとの実戦へ。NPB球団との距離感を図る貴重な機会に

岩国誠

2020.02.22

写真:岩国誠

写真:岩国誠

 将来のNPB参入を目指す新球団「琉球ブルーオーシャンズ」が、21日にチーム初キャンプを打ち上げた。チームを代表して森颯馬選手が、キャンプ地である沖縄・八重瀬町や関係者への感謝とともに「僕たちが歴史の1ページ目となるよう、これからもワンチームで頑張っていきましょう!」と、力強い挨拶で一本締めを行った。

 NPB球団よりひと足早い1月24日にキャンプインしてから約1か月。NPB未経験組の体力面を考慮し、3勤1休と言うスケジュールながら、連日9時から15時まで野球に没頭した新球団の選手たち。大きな怪我もなく、初キャンプを無事に完走した。

 そんな選手たちをこの1か月、見守り続けてきた清水直行監督は、「初日にユニフォームを着て集まってから、日を追うごとに顔つきが『プロ選手としてやっていく』というところに近づいて行っている」と、短期間での変化を感じていた。
 
 今キャンプの重要な課題のひとつが、プロの練習に耐えうる土台作りだった。体力強化トレーニングを担った勝崎耕世コンディション&トレーニングコーチは、その第一段階をクリアできたと明言した。

「個々の能力を把握する前の段階では『このキャンプでどれくらいまでいけるか』と思っていたのですが、この1か月でちょっとずつ体力も上がってきて、『これなら行ける!』っていう確信に変わっていきました。体力強化は今年1年間継続してやっていきますが、ベースはできましたし、各選手の特徴もある程度の分析はできたので、今後は個々に合わせた個別のメニューも取り入れていきます」

 プロ野球選手として、基本的な体づくりまでは整った。専門的な指導を受け、野球漬けの日々を過ごしてきた琉球の選手たちだが、期間はわずか1か月。体力面だけでなく、先日臨時コーチとして指導に当たった宮本慎也氏が「今のところ大きな差がある」と指摘していたように、技術面でもやるべきことはまだまだたくさんある。

 宮本氏の指摘を受けるまでもなく、キャンプイン当初から、シートノックや走塁練習、個別特守などで口がすっぱくなるまで若い選手たちに、多くのことを言い続けてきた亀澤恭平選手兼内野守備走塁コーチ。この1か月、指導を続けてきた亀澤も「まだまだ」と語ってはいるものの、彼らの変化を感じとっていた。

「全然まだまだなんですけど、全くできなかったことが1~2割程度できるようになってきたのは収穫だと思いますね。こっちが言ったことに対して『ここはどうなんですか』とか、反応するようになってきた。最初の頃に比べれば、自分たちで考える力はついてきたのかなと思います」

 考える力がついて来れば、技術指導の対する理解度も上がる。亀澤もその部分に期待を寄せてはいるが、求めるレベルは遥かに高い。簡単に及第点を与えるつもりはないようだ。

 チームはキャンプが終了した21日に、慌ただしく石垣島へ移動。22、23日にロッテ2軍と練習試合を行った後、29日にはセルラースタジアム那覇で初の主催試合、巨人3軍とのこけら落としゲームを戦う。清水監督をはじめ指導にあたってきたコーチ陣は現時点で、彼らに何を期待するのか。
 
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