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プロ野球

“ヤクルトの宮本”はオールラウンダー。職人技では本家に劣るも「研究熱心」さで1軍定着を目指す

小中翔太

2020.02.26

宮本は大学通算106安打を放ちベストナイン6度、首位打者3度を獲得したヒットメーカーだが、プロではまだ実績を残せていない。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

宮本は大学通算106安打を放ちベストナイン6度、首位打者3度を獲得したヒットメーカーだが、プロではまだ実績を残せていない。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

 アマチュア時代に外野を守った経験はなかった。
 2度、甲子園に出場した履正社高時代はサード、奈良学園大ではショートを守るなど内野一筋でプロ入りしたヤクルト3年目の宮本丈が、内・外野のオールラウンダーとして1軍定着を目指している。

 キャンプは2軍スタートながら15日に1軍昇格を果たすと、その日の練習試合に8番・レフトで先発出場。22日のオープン戦初戦で試合前ノックでライトに入ったと思うと、外野ノックの後はグラブを持ち替えそのままセカンドへ入った。

 試合では4回の守備でレフトにつき、3度の守備機会では高く打ち上がったフライや左中間寄りのやや強めの当たりなど、決してイージーではない打球をしっかりつかんだ。

「練習通りにできました。バッターの特徴や風とかを考えて、他は考えないようにしてます」
 
 グラブは内野手用、外野手用のほかに、実はファーストミットも持っている。キャンプ中の全体メニュー終了後にはサブグラウンドで一塁線の打球処理を何度も繰り返していた。内野の全ポジションに加えて外野を守れるユーティリティー性を生かして、アピールしているのだ。

「1軍に何とか残れるように頑張るだけです。1年間1軍の戦力になりたい」
 
 練習熱心な性格でグラウンドを出るのはいつも最後。履正社高入学時は非力な内野手だったが、上級生になるとクリーンアップを任されるまでに成長。奈良学園大時代には大阪の自宅からの通学時間がもったいないと何度も友人宅に泊めてもらい、文字通り朝から晩までグラウンドで過ごした。

 大学3年時に参加した大学ジャパンの選考合宿の際は守備の話を聞くため、ホテルで1学年上の京田陽太(中日)の部屋を訪ねるほど向上心が強い。

「自分は下手くそなんで、楽したらダメやと思う。(ファームの内野守備走塁コーチの)土橋さんにずっとそういわれています。活躍できたら嬉しいんで、その時のために必死に練習しています」

 大学通算106安打を放ちベストナイン6度、首位打者3度を獲得したヒットメーカーだが、プロではまだ実績を残せていない。チームは最下位からの巻き返しを図るシーズンにかけているものの、キャンプの時点で怪我人が続出している。選手層が決して厚くないだけに若手の突き上げが待たれるところだ。

“ヤクルトの宮本”と聞けば、おそらくほとんどの人が昨季までヘッドコーチを務めていた守備の名手・宮本慎也氏を思い浮かべるだろう。宮本丈には、偉大なOBの記憶を塗り替えるような活躍を期待したいところだ。

取材・文●小中翔太

【著者プロフィール】
こなか・しょうた/1988年1月19日生まれ。京都府宮津市出身。大学野球連盟で学生委員を務め裏方の道へ。関西を中心に活動しウェブ媒体や雑誌に寄稿する。
 

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