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プロ野球

ゼロからスタートした琉球ブルーオーシャンズが、巨人3軍とのオープニングゲームで示したポテンシャル

岩国誠

2020.03.08

清水監督は「まずひとつここを目標にしてきたので、試合に勝ったことは良かったと思います」と語った。写真:岩国誠

清水監督は「まずひとつここを目標にしてきたので、試合に勝ったことは良かったと思います」と語った。写真:岩国誠

 2月29日、将来のNPB参入を目指して、沖縄に誕生した新球団・琉球ブルーオーシャンズが、沖縄・セルラースタジアム那覇にて巨人3軍とのオープニングゲームを行なった。接戦のとなったこの試合は、2-1で琉球が勝利し、新チームの船出を飾った。

 1月25日、沖縄・八重瀬町にある東風平運動公園野球場でキャンプインしてから約1か月。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、無観客試合となった巨人3軍戦だが、ゼロから始まった新球団の成長を大いに感じさせる一戦となった。

「抑えるだろうと思って送り出した」と清水直行監督がこのオープニングゲームの先発を託したのは、四国アイランドリーグ・香川出身の又吉亮文。現在、中日で活躍する又吉克樹の弟であり、昨年の四国ILセーブ王だ。

 今季、自ら望んで先発として勝負することを決めた右腕は、ここまで実戦2試合に登板。清田育宏や角中勝也といった一軍クラスを相手にした23日、ロッテ2軍との練習試合では「ストライクゾーンでの勝負」をテーマに3回を無四球だったものの被安打6。2回に塁上が詰まってから集中打を浴び、2点を失ったことを課題に挙げていた。
 
 昨年、守護神として最終回を任されていた又吉は、必然的に打者勝負となるケースがほとんどだった。ロッテ戦ではその意識が抜けず、走者を背負った場面でも、牽制することなく打者へ意識が向き、投球が単調になってしまっていた。

 今回、そうしたリズムを改善すべく、又吉は意識的に「投球での間」を多く作りながら、試合を組み立てていった。

「ボール先行になってしまうと向こうのペースになりがちですが、そこを切るために間をおいて、ボールを長く持って、もう一回自分のペースに持ってくるというところは、意外とできたので収穫だったと思います」

 走者を背負えば、しっかり牽制を挟むことはもちろん、ボール先行になった場面では元西武・松本直晃のアドバイスも取り入れ、バックスクリーンを見たり、屈伸運動を入れたりと、とにかく自分の間で投球することを常に心がけた。そうすることで、走者を許した状態でも『あ、まだこんなもんか。ピンチじゃないな』と、常に自分を保ち続けることができた。イニングを消化するごとに、その投球は冴えを増していった。
 

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