プロ野球

【川口和久のパ・リーグ順位予想】過密日程でモノを言うのは投手力。西武や日本ハムは、やはり不安が拭えない

川口和久

2020.03.20

西武はニール(左)、日本ハムは有原(右)が軸になるが、他に勝ち星を計算できる投手が少ないのが気がかりだ。写真:THE DIGEST写真部

 3月20日に予定されていたプロ野球の開幕が、新型コロナウイルスの影響で4月10日以降へ延期された。現時点で再開の見通しは示されていないが、過去に例を見ない変則的なスケジュールになるのは間違いないだろう。そんな過酷なシーズンを、野球解説者たちはどう見ているのか。広島・巨人OBの川口和久氏に、今季の順位を予想してもらった。

【川口氏のパ・リーグ順位予想】
1位 ソフトバンク
2位 楽天
3位 ロッテ
4位 西武
5位 オリックス
6位 日本ハム

 まず前提にあるのは、今年がオリンピックイヤーであること。また、新型コロナウイルスの影響で開幕が延期されたことだ。これらの影響で、今シーズンは過密日程になる可能性が非常に高い。6連戦が増えるのはもちろん、ダブルヘッダーが入ってくるという話も出ている。そうした厳しいスケジュールの中では、豊富な投手力を持ったチームが優位に戦えるというのが私の考えだ。

 投手力という面で言えば、西武の不安はぬぐえない。昨年はチーム防御率が4.35でリーグ最下位。打って勝ってきたチームだ。今年も戦力補強などによる大きな上積みがあるわけではなく、厳しい状況は変わらないだろう。長年リードオフを務めた秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)のアメリカ移籍も考えると、3連覇は厳しいと言わざるを得ない。
 
 最下位に予想した日本ハムも同じく、投手陣の選手層が薄いチームだ。有原航平は昨季に15勝を挙げてパ・リーグの最多勝投手に輝いたが、二桁勝利を挙げたのは彼だけ。他のチームに比べると、やはり投手力に不安が残る。

 一方、オリックスは山岡泰輔や山本由伸といった良いピッチャーはいるが、彼らを勝たせるだけの得点力が決定的に欠けている。昨年は稚拙な攻撃が目立ち、戦い方にも疑問符が付いた。メジャー通算282本塁打のジョーンズ加入を起爆剤に攻撃面での改善を図り、なんとか状況を変えたいところだ。

 これら3チームの上に位置するのが、効果的な補強で選手層の厚みを増したロッテと楽天だろう。