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【今日は何の日】日本に、世界に衝撃が走ったイチロー引退。“伝説”の引退会見をもう一度~前編~

2020.03.21

イチローが引退してから早一年が経った。(C)Getty Images

イチローが引退してから早一年が経った。(C)Getty Images

 2019年3月21日、東京ドーム。日本が生んだ天才打者、イチローが現役に幕を下ろした。日米で数々の名場面を残してきたレジェンドは、深夜から始まった自身の引退会見でも己がスタイルを貫き、最後までイチローであり続けた。あれから1年、85分に及んだ“伝説”の会見を改めて振り返ろう。イチローが野球をどれだけ愛し、また向き合ってきたのか。そして、自身の“後継者”たる大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)への期待、そして、異国での戦いなど、あますことなく語っている。

【イチロー会見】

「こんなにいるの? びっくりするわ。そうですか。いや、この遅い時間に、お集まりいただいてありがとうございます。今日のゲームを最後に、日本で9年、アメリカで19年目に突入したところだったんですけども、現役生活に終止符を打ち、引退することとなりました。

最後にこのユニフォームを着てこの日を迎えられたこと、大変、幸せに感じています。これまで応援していただいた方々、そして、球団関係者、チームメイトに感謝を申し上げて、皆様からの質問があれば、できる限りお答えしたいと思っています」

―― まず、現役としての生活に終止符を打つことを決めたタイミング、そしてそ
の理由をお聞かせください。

「タイミングはですね、キャンプ終盤ですね。日本に戻ってくる何日前ですかね。はっきりお伝えできないんですけども、終盤に入った時です。元々、今回、東京ドームでプレーするところまでが契約上の予定でもあったんですけれども。キャンプ終盤でも結果が出せずに、それを覆すことができなかったということですね」
 
―― 今、その決断に後悔だったりとか、思い残したようなところはないでしょうか?

「いやあ、今日のあの球場での出来事。あんなものを見せられたら、後悔などあろうはずがありません。もちろん、もっとできたことはあると思いますけど。結果を残すために、自分なりに重ねてきたこと。人よりも頑張ったということはとても言えないですけれども、自分なりに頑張ってきたということははっきりと言えるので。重ねることでしか後悔を生まないということはできないんではないかなと思います」

―― 本当に数多くの感動、夢、ありがとうございます。今、テレビを通じて数多くの子供たちが見ていると思います。これから野球を始める子もいると思います。そんな子供たちにぜひメッセージをお願いします。

「シンプルだなぁ。メッセージかぁ。苦手なんだな、僕が。う~ん。ま、野球だけでなくてもいいと思うんですよね。始めるのは。自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つけられれば、それに向かってエネルギーを注げるので。そういうものを早く見つけてほしいなと思います。

それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁に向かっていけると思うんですね。それが見つからないと、壁が出てきた時にあきらめてしまうことがあると思うので。いろんなことにトライして。自分に向くか向かないかというよりも、自分が好きなものを見つけてほしいなと思います」
 
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