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プロ野球

【野球人が紡ぐ言葉と思い】「守備への意識を変えてやることで、選手として大きく変わる」――名伯楽・清水雅治の“手腕と愛情”

氏原英明

2020.06.05

それまではずっと守備走塁コーチを務めてきた清水は、阪神で初めてヘッドコーチに。参謀として矢野輝弘監督を支える。写真:産経新聞社

それまではずっと守備走塁コーチを務めてきた清水は、阪神で初めてヘッドコーチに。参謀として矢野輝弘監督を支える。写真:産経新聞社

「守備への意識を変えてやることで、選手として大きく変わる」(阪神・清水雅治ヘッドコーチ)

 2018年から阪神のヘッドコーチを務める清水雅治は、これまで西武、日本ハム、ロッテ、楽天と4球団で外野守備走塁コーチを歴任。17年からは侍ジャパンの守備走塁コーチも兼務している。02年に現役を引退してからずっと、現場で指導を続けている名コーチだ。

 そんな清水がこれまで最も指導力を発揮したのは、日本ハム時代に糸井嘉男、陽岱鋼、中田翔の強力外野陣を作り上げたことだろう。周知のように、この3人は元から外野手だったわけではない。糸井は元々ピッチャーだったし、陽と中田は内野手上がりだが、清水は彼らをリーグを代表する外野手にまで育て上げた。
 
 清水が選手に最初にかける声は決まって同じ。「まずは守備に意識を持つことでレギュラー奪取への近道になる」と説くのである。

「野手のほとんどはバッティングのことばかりを気にする。でも、まずはしっかり守れることがシーズンを通してプレーするためには大事なんですよ。守備力があれば、監督が長く試合に使ってくれる。そうすれば多くの打席に立てるでしょ。(中田)翔にはよく言いましたよ。守れる選手になれなきゃクビになるよ、と。どれだけバッティングが持ち味だといっても、指名打者は外国人のために使うものだし、守れなかったら我慢して使ってもらうことはできないとね」

 守備に興味を抱く入り口としては非常に秀逸な声かけだと言える。糸井や中田がコンバートされたのはバッティングが評価されてのこと。だからこそ、打撃を売りにする前にまずは意識を変えようとしたのだ。
 

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