ミスが出ての痛い敗戦だ。
第29回U-18ベースボールワールドカップ(以下W杯)に出場中のU-18日本代表が2次リーグ(スーパーラウンド)第2戦・韓国戦を戦い、延長10回タイブレークの末に4-5で敗れた。
試合は序盤から投手戦を展開。日本は先発に大船渡の佐々木朗希を立てたが、指先のマメの影響もあったのか本調子からは程遠く1回で緊急降板する。しかし、2回からは今大会好調の西純矢(創志学園高)が登板し、4回を無失点に抑えてしっかり立て直した。
盤石の投手リレーは、西から6回に飯塚脩人(習志野高)にスイッチして1イニングを抑えると試合の潮目が動く。7回表、2つの安打でチャンスを作ると、代打・熊田任洋(東邦高)の右翼前適時打で先制、続く水上桂(明石商高)にも安打が出て2−0とリードした。 7回裏からは西とともに野手としてスタメン出場していた宮城大弥(興南高)がマウンドに登った。しかし、8回裏、日本は2死2、3塁のピンチを招くと、5番ナム・ジミンはサードゴロに打ち取ったが、これを三塁手の石川昂弥(東邦高)が一塁へ悪送球。2人の走者が生還して試合は振り出しに戻った。
9回を2−2で終えると、試合はタイブレーク制の延長戦に突入。
10回表は無死1、2塁から始まり、1番の森敬斗(桐蔭学園高)が犠打を決めて、1死2、3塁とチャンスメーク。ここで2番・武岡龍星(八戸学院光星高)が右翼オーバーの2点適時打を放ち勝ち越した。
ところが、10回裏、無死1、2塁からのスタートで韓国ベンチも送りバントを敢行。この回からマウンドに上がっていた林優樹(近江高)がその処理に手間取ると一塁へ悪送球。1点を献上した。無死満塁となって開幕戦以来の登板となった池田陵佑(智弁和歌山高)が救援。一人目は三振に切ってとったものの、続く打者に押し出し四球を出して同点とされ、続くパク・ミンに中堅犠飛を打たれて試合は決した。
先発した佐々木の緊急降板によるアクシデントがありながらも、立て直したのは見事だったが、最後は気迫を見せる韓国の前にミスが重なって敗れた。
1次リーグの成績が結果に反映され、日本は2勝2敗となった。アメリカと台湾が連勝しているだけに、日本にはもう後がなくなった。
ミスを引きずるのか。取り返すのか。チームの底力が今日のオーストラリア戦で試される。
文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。
第29回U-18ベースボールワールドカップ(以下W杯)に出場中のU-18日本代表が2次リーグ(スーパーラウンド)第2戦・韓国戦を戦い、延長10回タイブレークの末に4-5で敗れた。
試合は序盤から投手戦を展開。日本は先発に大船渡の佐々木朗希を立てたが、指先のマメの影響もあったのか本調子からは程遠く1回で緊急降板する。しかし、2回からは今大会好調の西純矢(創志学園高)が登板し、4回を無失点に抑えてしっかり立て直した。
盤石の投手リレーは、西から6回に飯塚脩人(習志野高)にスイッチして1イニングを抑えると試合の潮目が動く。7回表、2つの安打でチャンスを作ると、代打・熊田任洋(東邦高)の右翼前適時打で先制、続く水上桂(明石商高)にも安打が出て2−0とリードした。 7回裏からは西とともに野手としてスタメン出場していた宮城大弥(興南高)がマウンドに登った。しかし、8回裏、日本は2死2、3塁のピンチを招くと、5番ナム・ジミンはサードゴロに打ち取ったが、これを三塁手の石川昂弥(東邦高)が一塁へ悪送球。2人の走者が生還して試合は振り出しに戻った。
9回を2−2で終えると、試合はタイブレーク制の延長戦に突入。
10回表は無死1、2塁から始まり、1番の森敬斗(桐蔭学園高)が犠打を決めて、1死2、3塁とチャンスメーク。ここで2番・武岡龍星(八戸学院光星高)が右翼オーバーの2点適時打を放ち勝ち越した。
ところが、10回裏、無死1、2塁からのスタートで韓国ベンチも送りバントを敢行。この回からマウンドに上がっていた林優樹(近江高)がその処理に手間取ると一塁へ悪送球。1点を献上した。無死満塁となって開幕戦以来の登板となった池田陵佑(智弁和歌山高)が救援。一人目は三振に切ってとったものの、続く打者に押し出し四球を出して同点とされ、続くパク・ミンに中堅犠飛を打たれて試合は決した。
先発した佐々木の緊急降板によるアクシデントがありながらも、立て直したのは見事だったが、最後は気迫を見せる韓国の前にミスが重なって敗れた。
1次リーグの成績が結果に反映され、日本は2勝2敗となった。アメリカと台湾が連勝しているだけに、日本にはもう後がなくなった。
ミスを引きずるのか。取り返すのか。チームの底力が今日のオーストラリア戦で試される。
文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。