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プロ野球

“勝負の1週間”を前に連敗ストップの巨人。ペナントを一気に引き寄せられるか

氏原英明

2019.09.08

打線を牽引した坂本には、セ・リーグトップに並ぶ35号ソロも飛び出した。(C)Getty Images

打線を牽引した坂本には、セ・リーグトップに並ぶ35号ソロも飛び出した。(C)Getty Images

 セ・リーグ首位・巨人の連敗がようやく止まった。7日のヤクルト戦で10−6で勝利。中盤まで僅差で競り合い、終盤に振り切る気持ちのいい勝ち方だった。

 9月1日に優勝マジックが消滅、巨人の連敗はその前日からスタートし、以後の試合は坂本勇人の体調不良や菅野智之の故障ありと悪循環に陥った。チームの成績も下降線をたどっていた。

 安定しなかったのは投手陣だ。エースの菅野が故障し、6連敗中3試合で先発投手が序盤で降板するなどゲームを作れなかった。チームの勝ち頭である山口俊でも止められず、また、救援陣も、安定しない試合が続いていた。
 7日の試合では先発した山口が5回3分の2を投げて8安打4失点とQSをクリアできなかった一方、打線の方は16安打10得点とつながった。1回表、キャプテンの坂本勇が無死二塁から先制の適時二塁打を放つと、3回表にはライトへ本塁打を放ち、打線を牽引した。その後、一時は同点に追いつかれるも、4回表にゲレーロにソロ本塁打が出て勝ち越し。試合は拮抗したが7回表には丸佳浩、重信慎之介の適時打などで一気に5点を奪い、試合を決めた。

 8日は台風のために試合は中止となったが、2位・DeNAが敗れたため、ゲーム差は4に広がった。同日に勝利した3位・広島を含めた優勝争いはまだ予断を許さず今週には両チームとの直接対決を控える。決戦を前に連敗を止められたことは明るい兆しと言えるだろう。

 投手の立て直しを進めつつ、ストロングポイントを前に押し出すのも戦い方ひとつだろう。パ・リーグ2位の西武はリーグ防御率最下位ながら、圧倒的な打棒を看板にして首位・ソフトバンクに肉薄している。


 “勝負の1週間”で勝利し、ペナントの覇権を一気に引き寄せたい。

文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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