プロ野球

【巨人の開幕1ヵ月診断】ダントツ首位は4番・岡本のおかげ!ブルペンが安定すれば連覇に死角なし!?

SLUGGER編集部

2020.07.21

岡本(右)が文字通り4番に座って圧倒的な打力を発揮。あとは吉川が本格ブレイクすれば……。写真:徳原隆元(岡本)、金子拓弥/THE DIGEST写真部(吉川)

 6月19日の開幕から早1ヵ月。まだ30試合前後とはいえ、各チームとも長所と短所が徐々に浮き彫りになってきた。「開幕1ヵ月」の戦績を評価しつつ、残りシーズンを展望していこう。

[順位]1位
[勝敗/得失点差]16勝7敗/得失点差+53
[評価]よくできました

●プラス要素
・4番の岡本が絶好調

 開幕前から優勝候補の筆頭に挙げられていたとはいえ、ここまでの好スタートは原辰徳監督も予想していなかったのではないか。129得点、76失点はいずれもリーグベスト。得失点差は+53もダントツで、2位ヤクルトのゲーム差3以上の戦力差がついていると考えていいだろう。

 投手陣では、エースの菅野智之が昨季の不振を忘れさせるような好投。26.2投球回で28奪三振、被本塁打わずか2本と力強い投球を取り戻している。高卒2年目の戸郷翔征も3戦3勝と最高の滑り出しを見せ、新助っ人のサンチェスも順調に結果を残している。

 打っては岡本和真がリーグトップタイの9本塁打、2位の28打点、3位のOPS1.059と絶好調。7月19日のDeNA戦では9回に決勝の2ラン本塁打を放つなど、4番として頼もしい働きを見せている。坂本勇人、丸佳浩の調子が上がらない中でも得点力をキープできているのは、ひとえに岡本のおかげと言っても過言ではない。
 
 開幕前にキーマンと位置付けられた新外国人のパーラや吉川尚輝が貢献できているのも大きい。吉川尚はまだ二塁の定位置を完全にものにしたとは言い難いけれども、すでに3本塁打。心配された健康面も、ここまでは問題なく過ごしている。開幕直後に小林誠司が左尺骨亀裂骨折で離脱してしまった捕手では大城卓三が台頭。途中補強でウィーラーを獲得するなど層の厚さも他チームを引き離している。

●マイナス要素
・ブルペンに一抹の不安

 7割近い勝率を誇るチームのマイナス要素を探すのは容易ではないが、強いて挙げるとすれば、クローザーのデラロサの故障離脱だろうか。7月6日の出場登録抹消後は中川皓太が抑えに回っているが、それによって中継ぎ陣が手薄になった。現時点では大きな問題にはなっていないものの、澤村拓一、鍵谷陽平らの調子がいまひとつということもあり、勝ちパターン継投には一抹の不安が残る。

 また、マイナス要素というほどではないが、日替わり状態の1番打者はできれば固定したいところではある。昨季、主に1番を務めた亀井義行は今季もここまで出塁率4割超と絶好調。頼れるベテランがリードオフに固定されれば、得点力はもっと上がっていくのではないだろうか。


 
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唯一の課題はブルペン?