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MLB

大谷の今季の登板数と打席数はどれくらい? もしかしたらタイトル獲得も…

宇根夏樹

2020.07.23

2年ぶりの二刀流復帰は思わぬ短縮シーズンとなったが、そのおかげでタイトル獲得のチャンスが出る……かも?(C)Getty Images

2年ぶりの二刀流復帰は思わぬ短縮シーズンとなったが、そのおかげでタイトル獲得のチャンスが出る……かも?(C)Getty Images

 今シーズン、大谷翔平(エンジェルス)は二刀流選手としてのプレーを再開する。毎週日曜日に先発投手としてマウンドに上がり、月曜日の休みを挟み、火曜日から土曜日まではDHとして出場する予定だ。

 このスケジュールは、基本的にメジャー1年目の2018年と同じだ。予定どおりにいけば、今シーズンは投手出場が10試合、野手出場が44試合、欠場は6試合となる。エンジェルスが試合を行わない6日間のうち、半分の3日が月曜日(他は火曜日が1日、木曜日が2日)なので、エンジェルスが大谷を最大限に生かすという点で、日曜日の登板は理に適っている。1週間に1度の登板日を他の曜日に設定した場合、大谷の野手出場は44試合よりも少なくなってしまうからだ。

 奇しくも18年の大谷の登板は10試合で、計51.2イニングを投げて4勝2敗、防御率3.31を記録した。今シーズンがトミー・ジョン手術明けの1年目であることを踏まえると、18年と同水準の防御率なら及第点だろう。勝ち星は同じだった場合やや物足りないが、18年のエンジェルスは大谷が投げた10試合で7勝を記録している。大谷自身に白星がつかなくても、チームがこれだけ勝てば十分だ。
 
 一方、過去2年における開幕からの野手出場44試合は、18年が打率.285、出塁率.368、7本塁打、22打点、2盗塁、19年は打率.290、出塁率.352、10本塁打、33打点。4盗塁だった。こちらは、出塁率.350以上と2ケタ前後のホームランが一つの基準になるだろう。

 また、今シーズンの大谷は規定投球回と規定打席を両方ともクリアする可能性もある。エンジェルスは来シーズン以降のことも考慮して無理はさせないはずだが、1登板平均6イニングを投げれば、ちょうど規定投球回(60試合=60イニング)に達する。野手として44試合に出場した時点の打席数は、18年が156、19年は182。どちらも今シーズンの規定打席(60試合×3.1=186打席)には届いていないが、過去2年とも代打出場が数試合あった。44試合すべて先発出場すれば、186打席は到達可能だ。今シーズンはナ・リーグのホームゲームでDHが採用されるのも追い風となるだろう。

 さらに言えば、タイトル獲得の可能性もゼロではない。44試合の野手出場で本塁打王や打点王を争うのは難しいし、首位打者の打率は4割前後となってもおかしくないので、打撃タイトルはやや厳しいかもしれないが、ただ、規定投球回をクリアすれば、最優秀防御率の可能性が出てくる。今シーズンは中4日で先発しても登板は12~13試合。最多勝のラインが8~9勝なら、大谷にもチャンスは出てくるのではないか。今季は思わぬ短縮シーズンとなったが、ファンにとっては見どころが増えたと言えるかもしれない。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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