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プロ野球

“プロ野球村”へ提言。理不尽な「田澤ルール」を解決するための道筋

中島大輔

2020.07.25

田澤はBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズへ入団。日本復帰は独立リーグからのスタートとなった。写真:産経新聞社

田澤はBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズへ入団。日本復帰は独立リーグからのスタートとなった。写真:産経新聞社

 12年の歳月を経て、再び活発になり始めた議論がある。NPBにおける「ドラフト拒否選手の復帰制限問題」、いわゆる『田澤ルール』だ。

「『時代錯誤』という声もありますが、『今の時代に合わない』という問題ではないですよね。そもそも当時から、おかしい問題だと思います」

 そう語るのは、日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長だ。

 2008年、新日本石油ENEOSに所属していた田澤純一はドラフト上位候補に挙げられていた。しかし、NPB球団に指名の見送りを要請し、ボストン・レッドソックスに入団した。すると、さらなるアメリカへの人材流出を恐れたNPBの12球団は、「アマチュア選手がNPBのドラフトを拒否し、海外球団と選手契約した場合において、当該球団退団後2年間(高卒選手の場合は3年間)のNPB所属球団との契約を禁止する」と申し合わせたのだ。

 ただし、明文化されたルールではなく、あくまで口約束にすぎない。“村社会”であるプロ野球にはさまざまな掟が存在するが、『田澤ルール』は「独占禁止法」に抵触することをNPBも分かっているから書面に残していないのだろう。

 ちなみに選手会は、公式HPでこう指摘している。
「NPBが導入したこの復帰制限ルールは、プロ野球選手が、日本のプロ野球球団と契約し、年俸を得るという経済活動を著しく制限することから、独占禁止法上明らかに違法であり、選手会は、NPBに対して、このルールの撤廃を求めています」(日本プロ野球選手会の公式HPより)
 
『田澤ルール』は日本国憲法で保証される「職業選択の自由」を妨げるものと考えられ、「人権」に関する問題だ。2008年当時、選手会は事務局や顧問弁護士を中心に問題意識を抱き、公式HPに上記などの見解を掲載した。

「選手会の会員になる可能性があるという観点ではなく、一人の野球人が野球生命を絶たれかねないところに問題意識を持ちました」

 2020年7月21日、筆者の電話取材に対し、森事務局長はこう答えた。同月13日、田澤がBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズへの入団を発表したことで、今、田澤ルールが再び注目を集めている。そうして議論が活発になっているが、選手会は以前からNPBに問いかけてきたという。

「ずっとおかしいと思っていて、その都度、問いかけをNPBにしてきました。田澤選手がアメリカで自由契約になった場合、こっち(選手会)には『(去就を)どうするんだ?』と考えるところがあります。今回も、どこかのタイミングで(NPBに)問いかけをすると思います」(森事務局長)

 田澤ルールの是非は、火を見るより明らかだ。だからこそ、多くのメディアで見直しを求める声が挙がっている。ただし今、もっと大事な論点がある。大半の人がおかしいと考えるこの問題を、どうすれば解決できるか、だ。
 

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『田澤ルール』を変えるには田澤にかかっている

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