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プロ野球

あまりにも惜しい”大記録未遂”!ノーヒットノーランを9回2死から逃した投手たち

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2020.08.06

球史で最も不運な男、西口。9回2死で2度もノーヒッターを逃しただけでなく、延長で完全試合が潰えたこともある。写真:産経新聞社

球史で最も不運な男、西口。9回2死で2度もノーヒッターを逃しただけでなく、延長で完全試合が潰えたこともある。写真:産経新聞社

 涌井秀章(楽天)が5日、ソフトバンク戦であわやノーヒットノーランの快投を演じたが、あと2人というところで川島慶三にヒットを打たれて大記録達成はならなかった。9回1死まででこんなにも「惜しい!」と感じるのだから、9回2死で初安打を打たれた投手の悔しさはいかばかりだろうか。大記録を目前で逃した投手たちのエピソードを振り返ってみよう。

 ノーヒットノーランをあと一人で逃した投手は全部で21人(23回)。一方、達成した投手は81人(93回)もいることを思えば、むしろこちらの方がレアケースである。このうち、62年4月8日の坂東英二(当時中日)、63年5月26日のバッキー(当時阪神)、66年9月26日の佐藤公博(当時中日)は、そこから試合をひっくり返されて敗戦投手になっている。
 
 こういう時は得てして意外な相手に打たれるものだが、その最たる例が別所毅彦(当時巨人)であろう。南海時代の42年にすでにノーヒットノーランを達成していた別所は、52年6月15日、松竹ロビンスを相手に9回2死まで完全試合を続けていた。

 大記録まであと一人というところで松竹が代打で送り出したのが、プロ入りしてまだヒットを打ったことのない控え捕手の神崎安隆。のちに通算310勝を挙げる大エース別所にしてみれば与しやすい相手のはずが、フルカウントからショートへ飛んだボテボテのゴロが内野安打になって大記録は露と消えた。神崎がプロ生活で放った安打はこの1本のみで、別所にとっては意外な刺客だった。
 

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