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プロ野球

フォーム改造も“オンライン指導”?コロナ禍の中で石川柊太を飛躍させた「REBASE理論」とは

喜瀬雅則

2020.08.11

石川は今季、右ヒジの故障から完全復活。あくなき向上心と理論家ぶりがその要因だ。写真:山崎賢人(THE DIGEST編集部)

石川は今季、右ヒジの故障から完全復活。あくなき向上心と理論家ぶりがその要因だ。写真:山崎賢人(THE DIGEST編集部)

 8月1日、福岡Pay Payドーム。ソフトバンクの先発・石川柊太の右腕が冴えわたった。最速149キロのストレートを軸にカットボールと2シームを交えて左右にボールを動かし、縦変化は石川の代名詞とも言える伝家の宝刀パワーカーブとフォークを駆使。相手の西武打線が放ったヒットはわずかに1本だけだった。1回2死からの4者連続を含む自己最多の計13奪三振。今季4勝目をプロ7年目で初の完封勝利で飾り、投手出身の工藤公康監督をして「100点満点。悪いところが一つもなかった」と言わしめた。

 2014年の育成ドラフト1位右腕は16年7月に支配下登録され、プロ4年目の17年に8勝、18年には13勝をマーク。ソフトバンクではもはやおなじみの“三軍育ちの逸材”だ。しかし、昨季は右ヒジを痛め、1軍出場はわずか2試合止まり。今季は、まさしく完全復活を懸けるシーズンだった。

 当初から開幕ローテーション入りは決定的だったが、自分の投球フォームにどうもしっくりきていなかった。もっと自分を向上させるためのきっかけはないのか。その模索を続ける中で、石川はある理論に出会った。アスリート向けのパーソナルトレーニングジム『REBASE』の代表を務める、29歳の池田則仁氏が提唱する「REBASE理論」だ。
 
 池田氏は、茨城の強豪・水戸商で捕手として活躍するも腰のヘルニアでプレーを断念。米ネブラスカ州立大カーニー校へ留学後、日本でトレーナとーして活動する中で、一流のMLBプレーヤーを研究していった。『REBASE』を設立したのは18年。オンラインサロン『NEOREBASE』には、石川やダルビッシュ有(カブス)をはじめ、独自の練習法やピッチング理論などに共鳴した千賀滉大(ソフトバンク)や則本昂大(楽天)ら、現役のプロ野球選手が30人近く集まって意見交換している。

 石川は共通の知人を介して、池田氏のアドバイスを求めることにした。フォーム修正を決断したのは、コロナ禍で自主練習期間中の5月頃で「千賀君と石川君が見てほしいといっているので(仲介者から)つないでもいいですか? というのが確か始まりだったと思います」と池田氏は振り返る。
 

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