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ダルビッシュが日本人最長タイの6戦6勝、6回無失点でメジャー最多勝に!秋山翔吾は2連続“エラー”後に9年越しのヒット

SLUGGER編集部

2020.08.30

再三のピンチを招きながらも、ダルビッシュはメジャー最多タイの6勝目をマークした。(C)Getty Images

 ダルビッシュ有が「2つの対決」を制した形だ。

 シカゴ・カブスのダルビッシュは現地時間29日、敵地で行われたシンシナティ・レッズとのダブルヘッダー第1試合に先発すると、6回7安打無失点、2四球8奪三振の好投で今季6勝目をマークした。6勝はシェーン・ビーバー(クリーブランド・インディアンス)に並ぶメジャー最多、ナ・リーグの最多勝レースではトップに立っている。

 苦心のピッチングで耐えに耐えた。ダルビッシュは初回こそ三者凡退に抑えたものの、2回から5回までは毎回2人以上のランナーを許す展開となるなど、本調子ではなかったかもしれない。しかし、ここから粘れるからこそ、サイ・ヤング賞有力候補に挙げられているわけだ。

 ゼロ行進を続けていく中で、最大のピンチは上位打線に回る5回に訪れた。先頭の1番、ジョーイ・ボトーに2打席連続ヒットを許すと、昨季チームメイトだった2番のニック・カステヤノスに初球を右前に運ばれて無死一、二塁。3番のジェシー・ウィンカーはこの日までメジャー1位のOPS1.169と絶好調の打者である。しかし、98マイル(156キロ)連発で見逃し三振に打ち取ると、4番からもスライダーで見逃し三振で2アウト。2安打を浴びた5番は歩かせて満塁としたものの、続く打者を初球で三塁ゴロに仕留めて窮地を脱したのだった。
 
 9年ぶりの対戦となった秋山翔吾には捕手の打撃妨害とダルビッシュのエラーという形で2度の出塁を許した後の6回、内角高めの96.5マイル(155.3キロ)の4シームをライト前に運ばれた。秋山にとってはダルビッシュからの"9年越し"(日本では5打数無安打3三振1死球)のヒットとなっただけでなく、19打席ぶりの一打になった。もっとも、次の打者をファウルと思われた打球が併殺打となるラッキーな形で無失点に抑え、6試合連続QS(6イニング以上を投げて自責点3以下)でダルビッシュはマウンドを降りた。

 そして最も注目された対決が、サイ・ヤング賞を争っているトレバー・バウアーとのマッチアップだ。バウアーはこの日まで奪三振率13.50がリーグ1位、防御率1.65はダルビッシュの1つ上の2位に位置しており、"知能派"という点でも彼らは共通している。しかし、カブスの主砲アンソニー・リゾーが2打席連続本塁打を放つなど3点を奪って3対0で勝利し、アウォード争いにも貴重な"援護"となった。

 この試合を終えて、ダルビッシュはメジャー最多タイの6勝(1敗)、リーグ2位の防御率1.47、奪三振率10.88、K/BB6.50と圧巻の成績。6戦6勝は1995年の野茂英雄、2002年の石井一久に並ぶ日本人投手メジャー最長タイ記録でもある。注目対決を制したことでまた一歩、サイ・ヤング賞に近づいたのは間違いない。

構成●SLUGGER編集部

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