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プロ野球

お股ニキが選ぶ「育成と補強の融合」を果たした巨人優勝のキーマンとは? 

お股ニキ

2019.09.24

5年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人。原動力となったキーマンを、あの「お股ニキ」が徹底分析する! 提供:朝日新聞社

5年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人。原動力となったキーマンを、あの「お股ニキ」が徹底分析する! 提供:朝日新聞社

 著書『セイバーメトリクスの落とし穴~マネー・ボールを超えた野球論』(光文社新書)がベストセラーとなり、ダルビッシュ有(カブス)や千賀滉大(ソフトバンク)をはじめとする多くのプロ野球選手から信頼を集める「お股ニキ」氏(@omatacom)。元々、巨人ファンだったという彼が、5年ぶりのリーグ優勝を果たした今年の巨人の強さの秘密、そして投打のMVPをアナライズしてくれた。
 

【ピッチャー】
 まず、投手のMVPには山口俊を挙げたい。後半戦は中5日での登板が多く、数字を落としてしまったため沢村賞レースから外れてしまった感もあるが、それでもリーグトップクラスの成績を残し、故障や不調で苦しんだエース・菅野智之の穴を補って余りある働きだった。やや腕を下げたことで、スラット・スプリット型(*1)投球の精度が高まり、満塁でフルカウントからストライクからボールになるスプリットを投げきった8月18日の阪神戦、高山俊への6回の投球はプロフェッショナルそのものだった。

(*1)スラット・スプリット型……スライダーとカットボールの中間的性質を持ち、縦のカットボールとも言える「スラッター」と、人間の構造的に打つのが困難な「スプリット」を投球の軸とする考え方。現代野球のトレンドの一つと言え、NPBでは千賀や今永昇太(DeNA)、MLBではジェイコブ・デグロム(メッツ)やルーカス・ジオリト(ホワイトソックス)が代表格。詳細は“お股本”第2、3章を参照。
【バッター】
 間違いなく、キャプテンの坂本勇人がMVPだろう。バレル(*2)への意識を感じさせる打撃で、遊撃手史上最多に迫る39本塁打をマーク。腰の故障もあって、守備や走塁の指標は落ちているものの、ここ数年は高卒天才打者の打撃の全盛期を迎えており、ショートで3割40本をなし得たら史上初の快挙である。次点には、広島からFA加入した丸佳浩を挙げたい。丸については連載コラム第2弾を参照されたい。

(*2)バレル……打率.500/長打率1.500以上になる打球速度・角度で打たれた打球。バレルになるには打球速度が最低158km必要で、その際は角度26~30°の範囲がバレルゾーンになる。打球速度は速ければ速いほど、バレルゾーンになる角度範囲は拡大する。
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