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MLB

「考える限り最悪の打撃」「ずっと苦しんでいる」元DeNA・グリエルの満塁初球ゲッツーに、番記者やファンは怒り心頭

THE DIGEST編集部

2020.10.12

シーズン後半から調子を落としているグリエルは、大事なリーグ優勝決定シリーズ初戦にもそれを引きずるような“ミス”を犯した。(C)Getty Images

シーズン後半から調子を落としているグリエルは、大事なリーグ優勝決定シリーズ初戦にもそれを引きずるような“ミス”を犯した。(C)Getty Images

 メジャーリーグは現地時間11日、タンパベイ・レイズ対ヒューストン・アストロズのア・リーグ優勝決定シリーズ第1戦が行われ、レイズが2対1で勝利を飾った。試合はアストロズのホゼ・アルトゥーベが初回に先制本塁打を放ち優位に進めていた中、レイズも売り出し中のランディ・アロザレーナが4回に同点弾。続くイニングのタイムリーが決勝点となった形だ。

 もっとも、アストロズには何度も得点の機会があり、4回と8回には満塁のチャンスを作った。結果的に強力レイズ投手陣が抑え切った形になったが、特に8回の攻撃は、自らの手でフイにしたようなものだった。“戦犯”は、2014年に横浜DeNAベイスターズにも在籍したキューバの至宝、ユリ・グリエルである。

 四死球でチャンスを作り、ヒットでつながった8回1死の場面、7番のグリエルに打席が回ってきた。反撃ムードが高まる中、グリエルは初球攻撃するも、打球はイージーな二塁手がセカンドベースを踏んで一塁へ送球するダブルプレーとなり、一瞬で満塁のチャンスをつぶしてしまう。
 
 この“ひどい”結果に、17年間アストロズの番記者を務めるブライアン・マクタガート氏は「グリエルは本当に苦しんでいる。あの打席(8回満塁で初球併殺)は、ここ数週間、彼が経験しているものが集約された形だ」と、心配と落胆の色が混じるコメントを投稿。

 実際、グリエルはレギュラーシーズン最終20試合で69打数9安打、長打1本の打率.130、OPS.325と絶不調で、この試合前までのポストシーズンも23打数2安打と、大舞台で復活したアストロズ打撃陣の中でも完全に穴と言える状態だった。

 当然、ファンからも「考える限り最悪の打撃」「なぜこの選手と延長契約したのか意味が分からない(編集部注:グリエルとアストロズはポストシーズン開幕直前、1年650万ドル+球団オプションで契約を延長した)」「グリエルに打席を与えるなら、他の選手を起用した方がいい」と、辛辣なコメントが多数寄せられた。

 野球界には「満塁で迎えた初球は甘くなるので狙え」という格言めいたものは確かにある。グリエルは満塁の場面で通算45打数22安打、打率.489と得意にしており、今回がたまたま打ち損じたという見方もできなくはないが、今季は初球打率.194(36打数7安打)がメジャーワースト2位という数字だっただけに、もう少し慎重な攻撃でも良かったのでは、という見方もできるだろう。

 また、グリエルは鈍足ということもあってかゲッツーが多い選手として知られ、2016年にはメジャー41年ぶり1試合4併殺、18年にはリーグワーストの22併殺打という数字も記録している。

 本来の実力であれば彼をレギュラーから外すことを考える必要などないが、マクタガート氏が言うようにあまりに不振の期間が長いため、短期決戦であるポストシーズンでは起用面を考えた方がいいかもしれない。グリエルにとっても、アストロズにとっても、大事な時期を迎えている。

構成●THE DIGEST編集部
 
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