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「ヤンキースは1年の残留申請を出す可能性も」。田中将大の市場価値について経済誌『フォーブス』の見解は…?

SLUGGER編集部

2020.10.13

揺れる田中の去就。経済誌の見解は果たして…。(C)Getty Images

揺れる田中の去就。経済誌の見解は果たして…。(C)Getty Images

 現地時間9日に行われたア・リーグ地区シリーズ第5戦、ニューヨーク・ヤンキースはタンパベイ・レイズに敗れ、今シーズンが終了した。そして同時に、田中将大とヤンキースが結んだ7年1億5500万ドルの契約も終わりを告げ、田中は今オフに初のFAを迎えることになる。

 田中は1年目から6年連続2ケタ勝利を達成し、14年と19年にはオールスターに選出。そして昨年まではポストシーズンでも強さを発揮し、通算8先発で防御率1.76、被打率.157は歴代1位(40投球回以上)という実績を誇った。特に名門ヤンキースにあっては、この大舞台の強さが評価され、田中自身の意向もあって再契約が既定路線と言われていた。

 しかし、今季はサマーキャンプ初日に打球が直撃して調整が遅れ、規定投球回には到達できず。そして本来強かったはずのポストシーズンでも2先発連続で5失点以上と、まったく結果を残せなかった。そもそも、田中は高い安定性が持ち味とはいえ、7年間で規定投球回クリアは3回、直近4年間は39勝30敗、防御率4.27と、トップクラスの成績を残してきているわけでもない。彼の価値の多くを支えていたポストシーズンで活躍できなかったことで、その去就に暗雲が立ち込めている、というわけである。

 ニューヨーク地元紙などでは前回の炎上後、「これが田中のヤンキース最後の登板になるかも」という論調が多かったが、経済誌『フォーブス』でニューヨークのスポーツ記事を担当するマイク・マッツェーオ氏の見解は少し異なるようだ。
 
 10日、同氏はヤンキースのオフシーズンの注目ポイントについて寄稿すると、そのうちの一つにチームの先発投手問題を取り上げた。今オフに田中と左腕ジェームズ・パクストンがFAとなると紹介しながら、マッツェーオ氏は「ヤンキースはタナカとパクストンに対して、1年1890万ドル(約19億9640万円)のクォリファイングオファー(簡単に説明すると、球団からの残留申請。選手は受諾することも拒否することも可能)を申し出る可能性が高い」とした。

 その理由について、「162試合のレギュラーシーズンが戻ってきた時には、確かにチームには先発3~5番手をこなせそうな投手はいるものの、全員が若く、またイニング制限が課せられるのが想定されるため、投手層がカギになってくる」と解説。となると、田中のようにシーズンを投げ抜いたことのある、実績ある投手を1年でもつなぎとめることは理に適っているというわけだ。

 もっとも、同氏はエースのゲリット・コールに並び立つようなエース級の補強を提言していて、今オフ再注目選手の一人、トレバー・バウアー(シンシナティ・レッズ)を1年3000万ドル(約31億6300万円)で獲得することを検討すべきとも語っている。

 田中の現在の市場価値を考えると、単年1890万ドルはやや割高とも言えるが、確かにヤンキースのチーム状況を踏まえると、1年契約であれば確かに可能性はある。そして田中のメリットとしても、そもそも意中のチームに想定よりも高い金額で残ることができるのはありがたい話で、もし21年にFAとなっても、次はクォリファイングオファーの対象とはならず、より自由に職を探すことも可能だ。

 果たして、ヤンキースが残留申請を下すのか。それが分かるのは、ワールドシールズが終了してから5日以内。つまり11月頭には、だいぶ見通しが立つはずだ。

構成●SLUGGER編集部

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