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プロ野球

【2020ドラフト総括:日本ハム】五十幡を2位で確保できたのは“日ハムらしさ”を貫いた結果。課題の捕手も古川確保で合格点

出野哲也

2020.10.30

注目される伊藤(左)の育成方針。前評判の高かった五十幡は“将来”を見据えても好判断だった。写真:徳原隆元(伊藤)、滝川敏之(五十幡)

注目される伊藤(左)の育成方針。前評判の高かった五十幡は“将来”を見据えても好判断だった。写真:徳原隆元(伊藤)、滝川敏之(五十幡)

 今年も大いに盛り上がったドラフト会議。果たして各チームは狙い通りの指名ができたのだろうか? 事前のチーム状況を改めて整理しながら、日本ハムのドラフトを振り返ってみよう。

【指名選手】
1位 伊藤大海(投手/苫小牧駒澤大)
2位 五十幡亮汰(外野手/中央大)
3位 古川裕大(捕手/上武大)
4位 細川凌平(内野手/智辯和歌山高)
5位 根本悠楓(投手/苫小牧中央高)
6位 今川優馬(外野手/JFE東日本)
【育成】
1位 松本遼大(投手/花巻東高)
2位 齊藤伸治(投手/東京情報大)
 
 日本ハムの近年のドラフト1位を”予想”することは簡単だった。実力と同時に最も話題となった「ナンバーワン」選手を入札しているからである。2017年の清宮幸太郎、昨年の佐々木朗希(現・ロッテ)のような超目玉が不在の今季、日本ハムが選んだのは地元・苫小牧駒大の伊藤だった。

 今年だけなら早川隆久(早稲田大→楽天1位)が上かもしれない。だが大学4年間を通じて、ずっと安定して実力を発揮してきた伊藤こそナンバーワンとの声もある。大学ジャパンでクローザーを務めた豪腕は、秋吉亮の不調で空席となった抑えに収まる可能性もあるが、本職はスターターだ。1位指名ということも考慮すると、できれば先発の柱の一人として新球場のマウンドに立ってほしい素材である。

 チーム戦略的に最も補強が急務だったポジションが捕手だ。何しろ今季の捕手陣は、合計で打率.176という想像を絶する貧打。一昨年はOPS.687だった清水優心が.495まで数字を下げてしまう頭打ち状態なのが響いていて、捕手自体の頭数はいるものの全体的に若い。その点から、ドラフト前の展望でも上武大の古川の獲得をすすめていた。

 そして、上位指名が予想されていながら残っていた古川を3位で確保。その打力は捕手抜きにしても評価は高く、チームのニーズにぴったり合う存在だ。古川自身がレギュラーになる可能性はもちろん、清水にとって格好の刺激剤となるはずで、お互い切磋琢磨してのレベルアップも期待できる可能性もあるだろう。
 

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